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ヨーグルトの価値と魅力から酪農を考える ブルガリアの食文化を紹介 ミルク1万年の会「ヨーグルト」交流会(上)

  • 8月14日
  • 読了時間: 4分

更新日:5 日前

前田浩史代表世話人
前田浩史代表世話人

 「ミルク1万年の会」が主催する「ミルクで繋がる交流の集い2026:ヨーグルトの価値と魅力から酪農を考えよう!~ブルガリアと日本の事例から~」が2026年7月25日、東京・市ヶ谷の大妻女子大学千代田キャンパスで開かれた。生乳需給の面からもヨーグルトの消費動向に関心が集まる中、講演会には北海道から宮崎まで全国各地から約90人が参集した。講演会終了後の交流会では、ブルガリアヨーグルトを使ったブルガリアの伝統料理が振る舞われ、参加者らはワインと共に舌鼓を打った。


ヨーグルトの消費は大きく成長し、成熟化


 主催者を代表してあいさつした前田浩史代表世話人は「日本の牛乳乳製品の需要は、飲む牛乳が圧倒的に多いが、急速に大きな成長を示してきたのがヨーグルト。この市場も最近は成熟化しているのではないか、という構造的な課題が見え隠れしている。本日はそういうこともお話しできるのではないかと思っている」と述べ、飲用が中心だった牛乳乳製品の消費動向の変化について言及した。

 その上で今回の開催趣旨について「日本のミルクの文化や牛乳乳製品の利用を今後どのようにして充実させ、伸ばしていくのかという今後の課題を検討する上で、今回はヨーグルトについて勉強したい」と説明した。

 第1部の講演では、駐日ブルガリア共和国大使館から通訳・文化担当のコストヴァ・イリヤナ氏、立命館大学食マネジメント学部食マネジメント学科のヨトヴァ・マリア准教授、ヨーグルトマニアで一般社団法人ヨグネット代表理事の向井智香氏の3氏が登壇し、ブルガリアという国やブルガリアヨーグルトについて説明した。


「ヨーグルトは味噌」とコストヴァ氏
「ヨーグルトは味噌」とコストヴァ氏

日本食で例えるならば、ヨーグルトは味噌


 最初に講演したコストヴァ氏は「ブルガリア共和国の文化や食生活について」と題して講演した。ブルガリアの自然や歴史、伝統、文化に触れる中で、食文化についても紹介した。

 ブルガリアはバルカン半島の中心、黒海沿岸に位置する国で、国土の70%ほどを山が占める自然豊かな国でありながら、紀元前にまでさかのぼるトラキア文化の遺跡などを有し、歴史的にも豊かな背景を持つ国だとした。

 コストヴァ氏によれば、ブルガリアは野菜や果物に恵まれており、野菜・パン・肉を主食とする食文化だという。食肉の消費は豚や鶏が中心で、季節によっては羊肉も食されるが、牛肉はあまり食べられていない。牛はもっぱら乳を搾るために飼われるという。日本で一般的に食べられている短粒種の米(ジャポニカ種)を食べる文化もあるが、「ブルガリア人にとっては野菜の一種」だという。

 乳製品の消費も多く、特にヨーグルトは国内にヨーグルトのお祭りやヨーグルト博物館まで存在するほど、ブルガリアの文化や料理に密着したもので、日本食で例えるならば味噌と同じような調味料として扱われているという。

 デザートだけでなく、料理そのものやソースにも用いられるほか、乾燥した暑い夏には塩分の入ったヨーグルトドリンクも好んで飲まれるという。「アイリャン」と呼ばれる飲み物で、コストヴァ氏は「プレーンヨーグルトと塩だけでつくった、さっぱりした味わい」のものだと説明した。朝の食卓にはパンにアイリャン、またはヨーグルトが並ぶことが多いとした。

 プレーンヨーグルトにきゅうりとにんにくを加えた冷製スープ「タラトール」も人気で、同国はハーブの生産量も多く、タラトールをはじめ多くの家庭料理にハーブや香料を加えるのが一般的だという。このほか、「バニツァ」と呼ばれるチーズパイや、シレネチーズを使った国民食「ショプスカサラダ」など、さまざまな伝統料理があり、黒海沿岸では魚料理、山岳地帯では肉料理が多彩だとした。

 ブルガリアはワインも有名な国だという。コストヴァ氏は「トラキア時代からワインがつくられている」と紹介し、トラキア古墳の中にはブドウの絵やワインを飲む人の姿が描かれていると話し、参加者を驚かせた。

 (続く)

 (構成・山根藍利)

 ≪酪農経済通信/2026年8月13日付≫


講演会には約90人が参集した
講演会には約90人が参集した

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