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東北生乳販連の新会長に紺野宏氏 広域流通体制の強化を継続

  • 7月27日
  • 読了時間: 4分
総会に臨む伊藤一成会長
総会に臨む伊藤一成会長

 【仙台】東北生乳販連は2026年7月23日午前、仙台市のホテルメトロポリタン仙台で第26回通常総会を開き、2025年度事業報告・決算などを原案通り承認した。役員補選では伊藤一成会長が退任し、新会長に紺野宏氏(福島県酪農協組合長)を選任した。

 総会冒頭のあいさつで伊藤会長は「近年の酪農乳業界は大きく変貌している」と述べ、国際情勢の不安定化や為替相場の変動、米国トランプ政権の影響などに言及した。国内の酪農情勢についても、飼料や生産資材などの高騰による生産コストの増加、飲用乳不需要期の生乳需給緩和による処理不可能乳の発生回避に向けた需給調整対応などで「非常に混沌とした状況が続いている」と指摘した。

 牛乳乳製品の需給をめぐっては、近年の生乳取引価格の値上げの一方で、少子化による人口減少に加え、消費者の生活防衛意識の高まりから「飲用需要は減少傾向で推移している。乳製品向けについても、脱脂粉乳とバターの需要格差が依然として続く」と述べた。

 また、東北生乳販連管内の大手乳業関連3工場が生産中止となったことについては「大変残念」と認識を示しつつ、「両全国連と連携し、輸送能力の確保とともに広域流通体制を強化し、新規取引を含む管外乳業者の飲用向け有利販売に努め、プール乳価の確保に取り組んだ」と述べた。

 伊藤会長は「今後も酪農乳業界が変化していく中、様々な課題を抱えつつも、乳業再編や物流問題などを背景として増加する集送乳経費の圧縮と、生乳の有利販売を念頭に生産者の付託に応えるべく取り組む」と総括した。

 来賓あいさつで農水省畜産局牛乳乳製品課の大竹匡巳牛乳乳製品需給対策室長は、中東情勢について触れ、石油関連製品の「目詰まり」の問題に関して情報収集と個別対応での解決に取り組むと説明し、関係者らに協力を求めた。

 脱脂粉乳在庫問題への対応をめぐっては、Jミルクが拠出金単価の引き上げを発表したことに対して「この決断は決して容易なものではない」との認識を示した。

 さらに「農水省としても議論を促してきたところで、これまで同様、引き続き取り組みを支援していく」と述べ、「今後Jミルクでは入口・出口対策、生産と需要の対策の議論を進めていくと伺っている。本問題の根本的な課題解決に向け、業界を挙げた議論に農水省としても積極的に参画していく」と話した。

 一方、需給調整と生産基盤の強化については「冬場の余乳処理だけではなく夏場の安定供給も需給上の課題であり、夏場の受精卵移植を推進するなど、暑熱対策の強化に関する事業を措置している」と説明し、2026年の実績やこれまでのノウハウも活用して取り組みの強化を推進していくとした。さらに畜産クラスター事業では、2025年度補正予算から従来の収益性向上タイプに加えて持続性向上タイプを創設したと説明し、食料・農業・農村基本計画や酪肉近代化方針で示した通り、自給飼料基盤に立脚した足腰の強い酪農経営をより一層推進していくとした。

 畜安法改正の動きに対しては「加工原料乳生産者補給金制度をクロスコンプライアンスの対象に加えていく方向で検討すべきという(自民党の)提言が取りまとめられた。農水省としては、今回の議論と提言を十分に踏まえ、引き続き生産者の皆さまの声を聞きながら、生乳需給の安定に向けて取り得る具体的な施策の検討を不断に行い、必要な措置を講じていきたい」と話した。

 中央酪農会議の本田光広専務は生乳需給について「楽観視できない状況が続いている」と述べ、「今後は夏の天候の影響をしっかり見ていく必要があるが、今のままの生産、あるいは飲用需要の推移を踏まえると、年末年始の不需要期の需給調整は非常に苦労する可能性があると考えている」と見方を示した。

 その上で、Jミルクが推進する「牛乳でスマイルプロジェクト」に同じ歩調で取り組みつつ、東北生乳販連や各県の団体と協力して消費拡大を進めていきたいと話した。

 さらに「Jミルクで検討されている『持続可能な酪農乳業産業確立に向けた需給改善対策』に関しても、さまざまな検討を真摯に進めていく必要があると考えている」と述べた。

 乳価に関しては、食料システム法に基づく飲用牛乳のコスト指標作成団体に中央酪農会議も構成員として参画していると説明し、「今後おおむね1年ごとに飲用牛乳のコスト指標を公表することになっている。これを機に、コスト割れでの牛乳の廉売が是正されることを強く期待している」と話した。

 さらに「今後の乳価交渉はコスト指標を踏まえて実施されるが、生乳の生産コスト、あるいは乳価は、地域によって異なる」と述べ、「生産者の手取り乳価に関しては、飲用向けのみならず乳製品向け乳価、また飲用仕向けの割合といったものも重要になる」と指摘。

 中酪としては「地域実態が反映された乳価形成が行われるよう、各指定団体に対してさまざまなサポートを引き続き行っていきたい」と述べた。

 (山根藍利)

 ≪酪農経済通信/2026年7月24日付≫

 原題:東北生乳販連総会、紺野宏氏が新会長に

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