第4回全国ヨーグルトサミット、2028年1月の復活開催へ本格始動――ミルク1万年の会「ヨーグルト」交流会(下)
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更新日:4 日前

「ミルク1万年の会」が主催する「ミルクで繋がる交流の集い2026:ヨーグルトの価値と魅力から酪農を考えよう! ~ブルガリアと日本の事例から~」で登壇したヨーグルトマニアの向井智香氏(一般社団法人ヨグネット代表理事)は、「15年のマニア活動から紐解く、日本のヨーグルトの可能性 ~規格とコミュニケーションが拓く未来についての考察~」の題で講演。ご当地ヨーグルトの試食を交えつつ、日本のヨーグルトの歴史的背景やヨーグルトの規格の必要性などに触れながら、独自の食文化として発展するための提言を行った。
職人技に光当て食文化としてのあり方強化
講演の冒頭、向井氏は明治が2024年に発売した「明治ブルガリアヨーグルトLB81プレーン ホームメイドストーリー」を紹介し、参加者らで試食した。「明治プレーンヨーグルト」の発売から50年を経て発表された同商品は、ブルガリアの家庭で伝統的に使われる「素焼きの壺」でつくる製法に着目しており、向井氏は「(脂肪ゼロや植物性油脂が主流になりがちな中で)乳脂肪分5.0%という定番商品を打ち出したのは衝撃的」としたほか、ヨーグルトに「家庭の情緒」を付加した点が「むちゃくちゃ面白い」と評価した。
続いて大石乳業(岩手県花巻市)の「生乳ヨーグルト ベーシック」を試食。小瓶に入った同商品は、昭和30年代に同社で販売されていた味を3代目代表が5年がかりで復刻させたものであるという。向井氏は「独自のストーリー性を追っていくと、とても愛おしいヨーグルトになる」と評し、ブルガリアのようにヨーグルトの伝統を持っていない日本では、地域性や職人性といったストーリーを知ることで、ヨーグルトへの愛着を深めることができるのではないかと話し、ご当地ヨーグルトの魅力を語った。
さらに風牧場(北海道標茶町)の「ティアラヨーグルト」を試飲した。同商品は賞味期限内にも発酵が進み、日々刻々と味が変化していくことをあえて強みとして打ち出していて、農産物であり生きている微生物だからこその「変化」を楽しむことが、消費者の新たな視点とリピートにつながると評価した。向井氏によれば、閉業の危機にあった同社は、家畜商という異業種から飛び込んだ若い後継者によって息を吹き返したのだという。
向井氏は、こうした全国のヨーグルト製造者を孤立させず、ノウハウを共有し合うためのプラットフォームが「ヨグネット」であり、ポッドキャストでの発信活動を通じて作り手の人柄や声を伝えていると説明。さらに2028年1月に「第4回全国ヨーグルトサミット」の復活開催を目指し、本格始動していることも明かした。
講演の後半、向井氏は日本のヨーグルト市場について言及。日本人がヨーグルトを消費する動機は、戦後の栄養補給から、フレーバーを楽しむ嗜好性、そして免疫などの健康管理(機能性)へと変遷してきたとした上で、「ミルクの存在感が(相対的に)小さくなっている」と指摘。これを踏まえ、これからのヨーグルト消費を牽引するのは、「この人の、この町のヨーグルトが食べたい」という情緒であると展開した。
市場の成熟に向け、分類と規格が必要とも訴えた。例として、伝統的な水切り製法でつくられたものも、単に乳たんぱく質を添加して後発酵させたものも、等しく「ギリシャヨーグルト」として販売されていることを挙げ、「消費者も加工者も、ミルクと共にあるために、ミルクや酪農との距離を見失わないためにも、(ヨーグルトには)規格定義が必要だ」と提言した。
向井氏は、2026年に岐阜県で開催されたチーズコンクールにヨーグルト部門を新設するよう働きかけた自身の活動を紹介し、チーズ業界には「職人」が存在し、互いに技術を磨き合う土壌がある一方、ヨーグルトの世界には高度な職人技があるにもかかわらず「ヨーグルト職人」という言葉が定着していないことを指摘し、「ヨーグルトの食シーンも多様化してきている。ここでクラフトマンシップ(職人技)に光を当て、食文化としてあり方を強めていく時期ではないか」と結んだ。
(おわり、山根藍利)
≪酪農経済通信/2026年8月19日付≫
原題:「ヨーグルトサミット」の復活へ本格始動
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