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自民党、2027年度農林水産関係予算の概算要求に向け議論開始

  • 8月10日
  • 読了時間: 4分
自民党の総合農林政策調査会と農林部会の合同会議
自民党の総合農林政策調査会と農林部会の合同会議

 2027年度農林水産関係予算の概算要求をめぐり、自民党は2026年8月6日午前、党本部で総合農林政策調査会と農林部会の合同会議を開き、概算要求に向けた党内議論を始動した。

 国が補正予算依存からの脱却を目指すなか、食料品の消費税率を1%に引き下げる方向で固まり、農業の構造転換に向け、当初予算の確実な増額確保が重要になる。農水省は新たな投資枠も活用して食料安全保障の強化等を実現するための予算を要求する事項案を示した。

 会合の冒頭、宮下一郎総合農林政策調査会長は「2027年度予算はこれまでの補正のやり方から、一括して当初で要求し、全体像を示すという大方針であり、実質的に農業予算のさらなる充実、確保が必要になる」と述べ、「特に食料品の消費税1%引き下げ問題に関しては、しっかり予算を確保して、農業者の皆さま、外食産業の皆さまの経営支援を行うことが必須だ。しっかり頭の中を整理して、必要な予算を増額確保していくためのスタートとしてご議論いただきたい」と呼びかけた。

 農水省が示した概算要求の主要事項案は「日本成長戦略等を踏まえた潜在成長率の引上げ」、「農林業の構造転換による成長産業化及び食料安全保障の強化」で構成する。

 なお、①新たな水田政策②農業構造転換集中対策③食料安全保障政策強化大綱④国土強靱化⑤総合的なTPP等関連政策大綱⑥飲食料品にかかる消費税の引下げにかかる対応――の6項目の関連経費の要求については、事項要求を含め予算編成過程で検討するとした。

 主要事項案のうち「日本成長戦略等を踏まえた潜在成長率の引上げ」に向けては、農業構造転換集中対策の着実な実施や国民の安全・安心を支える国土強靱化対策の推進のほか、植物工場・陸上養殖・食品機械・新規食品といったフードテックの推進、食農分野におけるGX投資拡大による環境負荷低減・気候変動への適応、スマート農業技術の開発・供給の取り組み、サービス事業者の育成・活動などを進めていくとした。

 また「農林業の構造転換による成長産業化及び食料安全保障の強化」では、①食料安全保障の強化②農業の持続的な発展③農村の振興④環境と調和のとれた食料システムの確立⑤百年つづく「森の国・木の街」の礎の確立――の5項目を掲げている。

 このうち、「食料安全保障の強化」に当たっては、新たな水田政策の創設や「農林漁業教育」をはじめ食育の推進などによる農林水産業・農山漁村に対する国民理解の醸成のほか、米・米加工品・米粉の需要拡大、麦・大豆の供給円滑化を進める。また、合理的な価格形成に向けたコストや取引実態の調査、コスト指標作成支援、フードGメンの活動推進、消費者理解の醸成なども推進する。

 畜産関係では、家畜改良・畜産情報の活用や施設整備・機械導入等による生産基盤の強化に加え、食肉処理施設の新技術導入等の実証のほか、和牛肉の需要拡大、鶏卵の安定供給を進める。また、堆肥の流通利便性向上等による国産肥料の生産・利用拡大や、国産飼料の生産・利用拡大、飼料備蓄・流通合理化にも取り組むとした。

 「農業の持続的な発展」では、飼養衛生管理の向上や監視・防疫体制の強化、分割管理の推進、獣医療体制の確保、総合防除の推進など家畜伝染病、病害虫等への対応強化を掲げたほか、スマート農業技術の開発・供給の取り組み推進、サービス事業者の育成・活動の促進、重要品種の育成・種苗生産の推進、農研機構の研究開発・機能強化の推進に加え、ゲタ・ナラシ、収入保険、野菜価格安定対策、マルキンなどの経営安定対策の充実も項目に挙げている。

 加えて、地域計画の実現に向けた担い手の農業機械等の導入や、農地バンクの機能発揮・協力団体との連携による農地集約化、新規就農者の育成・確保、雇用労働環境の整備等を進めるとした。さらには農地の大区画化等、水田の汎用化・畑地化、水利施設の計画的更新や省エネ・管理省力化、情報通信環境の整備など生産基盤・生活インフラの整備・保全なども掲げている。

 このほか、「農村の振興」では、柵整備の強化など鳥獣被害防止対策の推進とジビエ利用のさらなる拡大などに取り組むとした。

 (山根藍利)

 ≪酪農経済通信/2026年8月7日付≫

 原題:自民党が9年度予算の概算要求に向け始動

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