JA全中、メルコスールとのEPAで農相に要請 重要5品目への十分な配慮を
- 6月11日
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ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ、ボリビアの南米5カ国による関税同盟「メルコスール」(南米南部共同市場)とのEPA交渉開始に向けた動きが報じられる中で、JA全中の神農佳人会長は9日午後、農水省内に鈴木憲和農相を訪ね、メルコスールとの交渉を開始する場合は、わが国農業のセンシティビティに対して十分な配慮を行うよう強く訴えた。
要請の席上で神農会長は、中東情勢の緊迫化など国際情勢が不安定化する中で、重要資源を有するメルコスールとの関係強化の重要性は理解していると述べた上で「メルコスール諸国は食肉や穀物、砂糖などの世界有数の生産・輸出大国だ。生産現場では必死に農業の構造転換の取り組みを進めている中で、こうした努力を台無しにし、わが国の食料安全保障を弱体化させるような安易な市場開放は容認できることではない」と話し、政府に毅然とした対応を求めた。
その上で「重要5品目や鶏肉など、わが国農業のセンシティビティに十分な配慮が確実に行われることを明確にしていただくことが、生産現場の不安払拭につながるものと考えている」と話し、鈴木農相に慎重かつ万全な対応を行うよう求めた。
神農会長の要請に鈴木農相は、現時点で正式に決まっていることは無いと前置きした上で「どんな交渉であったとしても、相手先がどこであったとしても、特に重要5品目をはじめとしたわが国の農林水産業に与える影響の大きい所については、センシティビティがあるということで、しっかりと守り抜いていくことは変わらない」と話した。
その上で「政府として経済安全保障上の大きな課題もあると思うので、しっかり対応させていただきたい」と述べ、生産現場に不安を与えることがないよう取り組むとした。
全中が4日に取りまとめた「メルコスールとのEPA交渉に関する緊急要請」では、米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物の「重要5品目」や鶏肉、果汁などをはじめ、わが国農業のセンシティビティに対して十分な配慮が確実に行われるよう要望した。
このほか、植物の病害虫や家畜の伝染性疾病の国内侵入リスクが高まるような動植物検疫制度・基準の見直し、緩和など、食料の安定生産や食の安全・安心を損なうような交渉は一切行わないよう求めている。
また、飼料用穀物のわが国への安定供給や、米・和牛等の輸出拡大を通じた生産基盤の強化など、わが国の食料安全保障の強化の観点で取り組みを進めることや、メルコスールとの協議の状況については、生産者や関係者に対する十分な情報提供を行うよう求めた。
(斎藤丈士)
≪酪農経済通信/2026年6月11日付≫
原題:メルコスールEPAで全中が農相に要請
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