Jチーズスターターの効果を食べ比べ 乳技協が札幌でワークショップ
- 7月14日
- 読了時間: 3分

【札幌】日本乳業技術協会が主催する「チーズ工房ワークショップ」が2026年6月24日、札幌市のホテル札幌ガーデンパレスで開かれた。参加した道内外の15工房がそれぞれ従来品と「Jチーズスターター」を使った試作品を持ち寄り、食べ比べながら意見交換を行った。
同事業は、北海道と栃木県の地場食品から分離された乳酸菌を使ったスターターであるJチーズスターターの利用を推進することで、国産ナチュラルチーズの品質向上と差別化を図るのが目的。Jチーズスターターとしては、帯広市で酒粕から分離された「OUT0010」(帯広畜産大学/とかち財団/農研機構)、黒松内町の熟成チーズから分離された「33-5」(函館地域産業振興財団)、札幌市の熟成チーズから分離された「P-17」(道総研食品加工研究センター)、栃木県那珂川町の漬物から分離された「OY-57」(小山工業高等専門学校/栃木県畜産酪農研究センター)の4菌種が開発されている。このうち「OUT0010」は直接添加が可能なダイレクトバットセットで、不定期な共同購入を実施。残り3種は無菌的に培養できる設備があれば生菌として増やしてチーズ製造時に添加できるが、中小のチーズ工房では難しいとされる。
ワークショップはチーズ工房がJチーズスターターを利用したチーズを試作し、イベントなどでの消費者へのPRを通して需要増を図ることで、採算性を確保することによってJチーズスターター製造へのメーカー参入を促進し、チーズ工房へのJチーズスターターの安定供給を図るのが狙い。チーズの試作に当たっては、同協会がJチーズスターターの提供や生乳代・消耗品費などの助成、菌株保有機関の専門家の助言、試作チーズ分析費の助成などを行う。
開催に当たって同協会の姫田尚理事長は「国産チーズ需要の減少が大きな問題となっている。本スターターを使用していただき国産ナチュラルチーズを推進していきたい」と述べた。
ワークショップでは同事業について説明後、事業に参加している工房が製造したチーズを試食。参加者はJチーズスターターを添加しているチーズと、添加していない物の食べ比べを行った。
参加した工房からは「添加した方が白っぽくなり、熟成開始からpHの低下が早い」と効果を実感する声や、「従来の工程や熟成期間だと苦みを感じることがあるので、バランスを見ながら挑戦していきたい」などとチーズ製造に向けた意気込みが聞かれた。
(宮田寛央)
チーズ提供工房は次の通り(カッコ内は使用したJチーズスターターとチーズタイプ)。
・ASUKAのチーズ工房(33-5、セミハード)
・アンジュドフロマージュ(33-5、セミハード)
・湖のスコーレ(33-5、酸凝固)
・ボスケソ・チーズラボ(33-5、チェダー)
・佐渡乳業(33-5、ゴーダ)
・蔵王酪農センター(33-5、ゴーダ)
・CHEESE STAND LAB.(33-5、セミハード)
・ニセコチーズ工房(OUT0010と33-5、セミハード/OUT0010、白カビ/OUT0010、ブルー)
・スイミー牛乳店(33-5、ウォッシュ)
・山田カーサビアンカ(OY-57、セミハード)
・広内エゾリスの谷チーズ社(P-17、ハード)
・共働学舎(P-17、セミハード)
・山川牧場自然牛乳(P-17、ゴーダ)
・くずまき高原牧場(OUT0010、モッツァレラ)
・高秀牧場チーズ工房(OUT0010、ブルー)
≪酪農経済通信/2026年7月14日付≫
原題:Jチーズスターター、食べ比べで効果実感
.webp)








