中道・立憲・公明、メルコスールEPAで「戦略的な交渉」を農相に要請
- 6月24日
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政府がブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ、ボリビアの南米5カ国による関税同盟「メルコスール」(南米南部共同市場)とのEPA交渉開始に合意したことを受けて、中道改革連合・立憲民主党・公明党の3党の政策担当者は6月22日午後、農水省内に鈴木憲和農相を訪ね、わが国農林水産業に及ぼす影響分析や情報開示などを要望したほか、工業製品等の市場アクセス改善と引き換えに、農林水産業が犠牲になるような交渉は行わないよう求めた。
要請の席上、3党合同の農林水産部会座長を務める野間健衆議院議員(中道改革連合)は、交渉での一番の懸念材料は牛肉などの畜産分野だと指摘した上で「向こう側はそれが一番売りたいものだと思う。(相手先には日本が確保したい)レアアースなどがあると思うが、農業を犠牲にすれば大変な事になるので、今回申し入れをさせていただいた」と話した。このほか、同席した各党の代表者は、これまでのEPA協定発効時に措置されてきた国内対策予算の検証や、検疫措置についてはEPA交渉とは分けて慎重に取り組むことなどを要望した。
一連の要請に鈴木農相は、正式な交渉は始まっていないとした上で「どのような交渉であったとしても、現場の皆さんにご心配をおかけしなくて済むようにしっかりやらせていただきたい。同時に、家畜の伝染性疾病については科学的にしっかりと対応していく。これまでそういう方針でわれわれはやってきた。これからもその方針は堅持しながら取り組んでいきたい」と話した。
3党による「メルコスールとのEPA交渉に関する要請」では、これまでに諸外国と締結したEPAがわが国の農林水産業に及ぼした影響と、影響を緩和するために実施した国内対策の効果について詳細に検証し、総括するよう要望したほか、メルコスールとのEPAがわが国の農林水産業に及ぼす影響を分析した上で、国民に分かりやすく提示し、国民的議論を深めることや、交渉過程で収集した情報については国会に速やかに報告するよう求めた。
また、工業製品等の市場アクセス改善と引き換えに、わが国の農林水産業が犠牲になるような交渉は決して行わないことと併せて、交渉に当たっては、メルコスールと諸外国との交渉について十分に調査を行い、その結果を踏まえ、戦略的な交渉に努めるよう要望している。
米、麦、牛肉、豚肉、鶏肉、乳製品、甘味資源作物等の農林水産物の重要品目については、交渉の帰趨によってはわが国の農林水産業や地域経済に甚大な影響を及ぼすおそれがあることを十分に踏まえて、守るべきものは守るとの基本的な方針の下で、政府一体となって全力を挙げて交渉するよう求めたほか、家畜の伝染性疾病や植物の病害虫の国内への侵入を防ぐ検疫措置については、わが国の食料安全保障の確保や農畜産業の振興の観点から慎重な対応が必要であり、交渉と結び付けた協議は行わないよう要望した。
さらに国内生産基盤の維持・強化に資するようわが国の農林水産物・食品の輸出拡大につながる交渉を行うよう求めたほか、飼料用トウモロコシや大豆等の安定調達の強化や、非関税障壁の撤廃・緩和を含む日本産農林水産物・食品の市場アクセス改善を図ることも要望している。
(斎藤丈士)
≪酪農経済通信/2026年6月24日付≫
原題:メルコスールEPA「戦略的な交渉を」
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