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九州・沖縄牛乳協会が2026年度通常総会 生産基盤維持と牛乳類の安定供給へ

  • 4月20日
  • 読了時間: 4分
九州・沖縄牛乳協会の長谷川敏会長
九州・沖縄牛乳協会の長谷川敏会長

 【福岡】九州・沖縄牛乳協会は4月16日夕、福岡市のオリエンタルホテル福岡博多ステーションで令和8年度(2026年度)通常総会を開き、7年度事業報告・決算や8年度事業計画・予算を原案通り承認した。

 任期満了に伴う役員改選では、長谷川敏会長(永利牛乳社長)を再任した。総会には九州・沖縄各県の乳業メーカー関係者のほか、生産者団体や賛助会員ら109人が出席した。

 総会の冒頭あいさつで長谷川会長は、最近の社会経済情勢に言及する中で、円安の進行や中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー、包材などの生産資材価格の上昇に懸念を示した。

 さらに物価上昇が進むことも想定される中で、消費者の生活防衛意識も一段と強まるとの認識を示した。

 その上で、酪農乳業界の課題として「需給の均衡」と、ミルクサプライチェーンの各段階でコストが上昇する中での「上昇したコストの回収」の2点を挙げた。

 「一定の生乳生産基盤を将来に向けて維持し、それを前提として私ども乳業も消費者に安定的に安心して飲んでもらえる商品を供給していく。産業の使命といったものをいかに果たしていくかが非常に大事なことだと思う」と述べ、牛乳乳製品の価値向上に努める中で消費者と向き合い、酪農乳業界全体で牛乳類の消費拡大に取り組むことが重要になると強調した。

 一方、乳価引き上げに伴う製品価格の改定以降、物価上昇の影響などで牛乳類の消費が伸び悩んでいる現状や、その結果として脱脂粉乳の在庫が積み上がっていることから、在庫削減対策は喫緊の課題との認識を示した。

 「政府は国内の全ての乳業者と生産者が一体となって取り組みなさいとの方針を大きく打ち出した。その中でJミルクは、生処協調で新しい基金を造成し、それを乳製品の消化に充てる事業を新たにスタートしている。私も40年近くこの業界にいるが、このようなことはかつてなかった仕組みや考え方だ」と話した。

 将来の生乳生産基盤を維持していくためにも、Jミルクの「酪農乳業需給変動対策特別事業」の目的を理解し、生処で協調して在庫削減に対応することが必要になるとの認識を示した。

 さらに長谷川会長は、酪農家の離農に歯止めがかからない中で、生乳生産基盤を維持し、酪農経営の存続を図りながら、酪農乳業という産業を守る視点に立つ必要性にも言及した。

 「昨年もこの場で申し上げたが、九州という地域は、域外からの生乳が入っていない日本でも唯一のブロックだ。乳業の需要量は域内の生産者の方々のご努力で完全に満たされている状況で、需給バランスが保たれている。地産地消という大前提があるわけだが、実に素晴らしいことではないか。全国でも恵まれていると思う。このような機会に、ぜひ皆さま方も、ご自分の事業のベースであり、将来をしっかりと見極めていただく機会になればと思っている」と話した。

 その上で「全国の牛乳はひとつである。全ての生産者、乳業者は一体となって課題解決に向かうということを言われているが、振り返ってみれば、九州・沖縄域内の業界人は、これまでもそういう思いで歩んできた。九州の酪農あっての九州の乳業だ。逆に九州の乳業があっての九州の酪農だということを先輩方から聞かされてきた。乳業と酪農は車の両輪だと言われてきたが、改めてこの歳になって、まさにそうだとの思いを抱いている。この言葉が今こそ大事な時はないと感じている」と力を込めた。

 最後に長谷川会長は、協会の歴史に触れる中で「酪農と乳業が喧々諤々(けんけんがくがく)のやり取りをしてきた時代もあったが、お互いに交流を深めて九州・沖縄の業界を維持し、発展させてきたことは紛れもない事実だと思っている。今では地域のブロック団体や業界活動があるのは九州・沖縄だけだと、いろいろな方から聞く。先輩方が築き上げた業界基盤の中で、われわれも事業活動ができていることの意味を感じていただければと思っている」と話し、総会を通じて交流を深めてほしいと呼び掛けた。

 (斎藤丈士)

 ≪酪農経済通信/2026年4月20日付≫

 原題:九州・沖縄牛乳協会が令和8年度通常総会

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