乳酸菌SBT2055が加齢に伴う学習行動の低下を抑制 雪印メグと名古屋大が共同研究
- 7月16日
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雪印メグミルクは2026年7月15日、同社と名古屋大学大学院理学研究科の野間健太郎准教授らの研究グループが、Caenorhabditis elegans(以下、線虫)を用いて同社が保有する乳酸菌Lactobacillus paragasseri SBT2055(以下SBT2055)が、加齢による学習能力(連合学習能、2種類の刺激を結び付けて学習する能力)の低下を抑制することと、その作用メカニズムの一端を明らかにしたと発表した。研究成果は2026年6月10日付の学術雑誌「Scientific Reports」に掲載された。(論文題名:Lactobacillus paragasseriは線虫における加齢依存的な温度走性減弱を改善する)
加齢による記憶力や学習能力の低下は社会的な課題として認識されている。食事を含む生活習慣の改善で記憶力や学習能力の低下を予防できれば、高齢社会の多様な課題解決の一助になると期待されている。しかし、ヒトで加齢による記憶力や学習能力の低下に対する食事の影響を調べることは困難だという。
そこで寿命が短く、神経機能に基づいたさまざまな行動を示す線虫に着目した。
研究では、乳酸菌とビフィズス菌の計51株を対象に、各菌株を大腸菌と混合して線虫に投与し続け、加齢に伴う連合学習能の低下を抑える効果を調べた。その結果、Lactobacillus paragasseriを含むいくつかの菌が加齢線虫の連合学習能の低下を抑制したという。
なかでもSBT2055は、線虫の正常な成長や寿命に影響を与えることなく、連合学習能の低下を抑制した。連合学習能の低下抑制には、寿命やストレス応答を制御し、ヒトがもつFOXOと呼ばれるたんぱく質群と似た働きをする「DAF-16」が必要だったという。
さらに、線虫の神経細胞の活動状態を測定した結果、SBT2055の摂取により、加齢による感覚神経細胞(AWCニューロン)の過剰な活性化が抑制されることも分かった。これらの結果は、SBT2055がヒトにおいてもFOXOに関わる機構や異常な神経活動に作用し、記憶力や学習能力の維持に効果を発揮する可能性を示唆しているという。
同社では「この研究では、SBT2055が加齢に伴う神経機能の異常な活動を抑制する効果があることを示唆しており、将来的にはヒトの記憶力や学習能力の維持に寄与することが期待されます」としている。
≪酪農経済通信/2026年7月16日付≫
原題:SBT2055が加齢に伴う学習行動低下を抑制
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