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全国農協乳業協会が2026年度定時総会 濵名会長「連携深め難局打開」

  • 6月12日
  • 読了時間: 4分
全国農協乳業協会の濵名靖会長
全国農協乳業協会の濵名靖会長

 全国農協乳業協会は6月11日午後、東京・竹橋のKKRホテル東京で2026年度定時総会を開き、2025年度事業報告及び決算を承認、会員子会社を入会可能にするために会則を一部改定した。

 総会冒頭のあいさつで濵名靖会長(榛名酪連代表理事専務)は、最近の酪農乳業情勢をめぐり、ロシア・ウクライナ問題や中東情勢などの影響を受けたエネルギー価格の高騰や物流の混乱に触れ、「さまざまな原材料コストの増加は酪農生産現場のみならず、われわれ乳業メーカーの経営も圧迫している」と述べた。

 加えて、昨年の飲用乳価改定に伴う製品価格の値上げによって飲用需要の低迷が深刻さを増し、特に脱脂粉乳の在庫が積み上がっていると話し、「Jミルクが中心となって進めている『酪農乳業基盤強化対策事業』なども活用した脱脂粉乳の在庫削減は一定の効果を見せているが、飲用需要低迷に伴う今後の在庫積み増しを考慮すると、まだまだ十分とは言えない」と指摘、「このような状況だからこそ、私たち農協乳業協会は、酪農生産現場に最も近い乳業メーカーとして、より一層連携を深めて、難局を打開していかなければならない」と続けた。

 その上で、2025年度に協会が取り組んだ事業について紹介。乳業製造技術通信教育や製造技術体験発表会の研修会をはじめ、クレーム対応研修、職場環境向上のための女性職員向けアサーション研修など、時代に即した多角的なカリキュラムで次代の乳業を支える人材育成を支援したほか、Jミルクの「需給見通し」の迅速な共有や各地域農協乳業協議会との緊密な意見交換などで会員連携を強化したと説明した。

 最後に濵名会長は「山積する難しい課題を前に、一足飛びの解決策はない」としつつ、「しかし日々の安全安心な牛乳乳製品づくりのために、現場職員の技術力を高め、販売力を強化し、地道に需要の創出を続けていくことこそ、需要低迷の暗雲を払い、酪農乳業の未来を切り開く確かな力になる」と力を込めた。

 来賓あいさつで厚労省健康・生活衛生局の今川正紀監視安全課長は食品衛生を取り巻く近況について、「令和7年の食中毒患者数は令和6年比で約1.7倍の2万4,000人程度で、過去10年間の平均と比較しても多い結果だった」とした上で「牛乳および乳製品を原因とした食中毒事件数は令和6年に引き続き令和7年も0件。この結果は日々牛乳および乳製品の安全性確保に努めていただいている皆さまのご尽力の賜物」と謝意を伝えた。

 農水省畜産局牛乳乳製品課の白尾紘司課長補佐(乳業班担当)は「一番の心配は、中東不安によるナフサ関係の石油化学製品の滞りではないか」と述べ、農水省が設ける相談窓口に実際に寄せられたA重油の供給不安などについて例示。相談を受けて経産省と連携して解決につなげたと説明した上で「(個別対応という解決方法は)泥臭いが、皆さまの困り事をご連絡いただければできる限りで対応しているので、通常の経済活動をぜひ進めていただきたい」と呼びかけた。

 その上で「価格の高騰は先行きが見えず、適切に(価格)転嫁していかなければならない」とも述べ、「聞く限りでは、酪農現場以上に乳業現場がナフサ由来の石油化学製品を多く使っており、そちらの方が先に影響が出る可能性が高い」と述べ、改めて業界協調の対応を求めた。

 昨年末に「牛乳でスマイルプロジェクト」の下で、政府・与党関係者らが牛乳を飲んで不需要期の消費拡大をPRするなど、一連の取り組みによって得られた効果については「業界一丸で乗れる波に乗り、消費拡大に動いていただいたおかげだ」と評価し、「厳しい状況の出口はなかなか見えないと思うが、(長い目で見れば)需給は必ず反転するもの。今は我慢の時かもしれないが、次のバネに向かって、酪農家の皆さんにもずっと生産してもらうために、協調して頑張っていただきたい」と結んだ。

 (山根藍利)

 ≪酪農経済通信/2026年6月12日付≫

 原題:全国農協乳業協会が8年度定時総会を開く

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