全酪連がキッチンカー「らくのうマルシェごう」を出店 牛乳乳製品の消費拡大へ
- 5月21日
- 読了時間: 4分

東京・代々木の酪農会館エントランスに、フードトラックがやってきた。牛乳乳製品の消費拡大に寄与すべく、全酪連が主体となって運営している。組織としての全酪連のPRに加えて、今年4月に導入した2台目の自販機の周知につなげる狙いもある。今回の出店を試金石に、6月にはラインアップを強化して、さらなるイベントも計画中だという。
5月第2週から第4週にかけて週3日営業
フードトラック「らくのうマルシェごう」は、5月第2週(5月12~14日)から第4週(5月26~28日)にかけて火曜日・水曜日・木曜日の午前11時から午後2時まで営業を行う。
第3週の出店初日となる19日も午前11時から営業を開始したが、昼休みの時間になると多くの人がキッチンカーを訪れてアイスクリームなどの乳製品を買い求めていた。
全酪連の生クリームと脱脂濃縮乳を利用した「こだわりバニラアイス」のほか、㈱糸島みるくぷらんと(福岡県糸島市)の「伊都物語のむヨーグルト(加糖)」、中央製乳㈱(愛知県豊橋市)の「フローズンヨーグルト」、蒜山酪農協(岡山県真庭市)の「蒜山ジャージー岡山カスタードプリン」など、全酪連に関連する牛乳乳製品に加えて、チーズやアイスクリーム、ヨーグルトなど16種類の商品を販売している。
1番人気は蔵王酪農センター(宮城県蔵王町)が製造・販売する「ティラミス大福」で、イベント初日に売り切れて補充するなど、評判は上々のようだ。「らくのうマルシェごう」ラインアップの詳細については、全酪連公式X(旧ツイッター)アカウントでも発信している。
商品の提供に当たっては、全酪連が今年4月に導入した2台目の自販機を食券機代わりにした。従来から要望のあったキャッシュレス決済を採用した自販機では、普段は牛乳乳製品を販売しているが、キッチンカーが出店している間は、商品のラインアップに応じたラベルを巻いた製品を補充して運用している。キッチンカーのオペレーションは1人で担っているため、衛生面を考慮してお金の受け渡しがないようにした。
自販機は2021年2月に設置し、チーズなどの乳製品を販売している1台目と共に、近隣の住民やサラリーマンに好評で、週末にはバターが売り切れるなど、地域に定着している。
出店の背景には「銀座クレムリ」の記憶も
全酪連はこれまで、牛乳乳製品の直売会「らくのうマルシェ」などの消費拡大イベントを実施してきたが、キッチンカーで牛乳乳製品の販売を行うのは初の試みとなる。
イベントを担当する町田篤史酪農部副部長兼乳食品課長は「最初はアンテナショップを出せないか、という話から始まった」と出店の経緯を話す。
全酪連本所が東京・銀座にあったころ、「銀座クレムリ」という牛乳乳製品の直営店(1998年4月に開店)が存在していた。会員が生産した製品などの販売に加えて、カフェのような機能も備えていた。名物のソフトクリームも人気だったという。「それを覚えている人もいて、やっぱりカフェをやりたいよね、とみんなで話していた」と町田氏。
6次産業化に取り組む会員からの「(消費者の顔が見える直販は)張り合いがある」という声も従来から聞いていたこともあり、消費者に乳製品を直接販売することに対する機運は以前から高かったという。
店舗を構えるには壁が多かったが、「らくのうマルシェ」で関わりのあった事業者から協力を得られ、火曜日から木曜日までの限定でキッチンカーを出せることになったという。計画は今年1月ごろから始まり、約5カ月を経て実施に至った。
町田氏は「われわれが消費者に直接関わる機会は多くない。消費者に対する意識につながる試みとしても、内部で関心を呼んだ」と話す。
らくのうマルシェをはじめとした直売イベントで消費者に直接消費を訴求する試みが全酪連の支所などにも広がっていることを念頭に置きつつ、町田氏は「事務所の中で消費拡大を訴えるだけでなく、外に出て実際に取り組むことが大切。横に広がってきている試みなので、今後もその中心となって、できる形のものを実際に実現していきたい」と意気込む。
牛乳月間でもある来月は、全国酪農青年女性会議(酪青女)が旗を振る「父の日に牛乳(ちち)を贈ろう!キャンペーン」のPRも併せて、同様の形式で出店を行う予定だ。今回の出店によって、運営に必要な人手の数や日常業務との兼ね合い、時間帯による客足の波など課題も見えてきたという。
今回の出店を試金石にして、6月はアイスクリームを中心にラインアップ強化を図りながら、さらなる消費拡大に向けて取り組みを進めていく。
(山根藍利)
≪酪農経済通信/2026年5月21日付≫
原題:全酪連が「らくのうマルシェごう」を出店



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