岡山県の長恒泰裕さんが農林水産大臣賞 第53回全国酪農青年女性酪農経営発表大会
- 7月13日
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【那覇】沖縄県那覇市のロワジールホテル那覇で開催した第53回全国酪農青年女性酪農経営発表大会(主催・全国酪農青年女性会議、全酪連)は7月10日午前、前日に行われた酪農経営発表の部と酪農意見・体験の部の審査講評を行い、最優秀賞(農林水産大臣賞)に岡山県真庭市の長恒泰裕さん(有限会社長恒牧場)が輝いた。
このほか、酪農経営発表部門の審査委員長特別賞は、北海道浜中町の牧野陽太さん(牧野牧場)が受賞したほか、酪農意見・体験の部の最優秀賞(全国酪農青年女性会議委員長賞)は、栃木県高根沢町の荒井芳幸さん(アライファーム)が受賞した。全国から約350人の酪友が集まった大会は2日間の全日程を終え、盛況のうちに閉会した。
農林水産大臣賞を受賞した長恒さんの発表テーマは「高水準を貫く酪農経営~循環型モデルで実現する品質と収益性~」。長恒牧場は、父の泰治さんが中国四国酪農大学校を卒業する時に譲り受けたジャージーの子牛1頭からスタートした。
幼いころから酪農家になると決めていた泰裕さんは、進学した酪農学園大学の在学中にさまざまな牧場で経験を積み、卒業後の1年間、アメリカ・ウィスコンシン州のローズデール牧場で実習、23歳の時に家業に就いた。
2026年で54年目を迎える同牧場では、現在188頭(うち経産牛120頭)の乳牛(ホルスタイン種、ジャージー種)を飼養している。牛の個体能力の最大化を目標に掲げる同牧場では、正確な個体管理を行うためのつなぎ飼いや、自動離脱ミルカーや自動給餌機などを導入した省力化に取り組んでいる。
審査講評で松村一善審査委員長(鳥取大学農学部副学部長、生命環境農学科教授)は、長恒牧場の経営について、精密な個体管理と省力化により、労働効率や乳量、乳質を大幅に向上させた点や、最新のDX(デジタルトランスフォーメーション)技術を駆使した飼養管理の方法で高水準な乳量と乳質を両立させている点のほか、地域の休耕田を活用した自給飼料の生産への取り組みや、環境への配慮とともに、収益性を高める循環型酪農を実践している点などが高く評価された。
閉会後、本紙などの取材に応じた長恒さんは「まだ牧場には課題もたくさんあるので少しずつ潰していきたい。労働力の確保についても、今は両親がいるがいつかは戦力ではなくなってしまう。従業員の確保はもちろんだが、人数が少なくても経営できるよう、発表でも話した乾乳牛舎の新設などに取り組んでいきたい」と意気込みを語った。
審査委員長特別賞を受賞した牧野さんの発表テーマは「経営力強化に向けた新規就農」。牧野さんは北海道十勝地方で酪農を営む一家に生まれた。酪農学園大学在学中に放牧酪農に興味を持ち、国内の複数の牧場での実習やニュージーランドへの留学で放牧飼養への理解を深めた。帰国後に自家で就農したものの、農地が限られていたことや牛舎の効率性などを考慮し、高利益を目指して草地型酪農地帯である浜中町での新規就農を決意した。
現在の飼養頭数は70頭(経産牛52頭)で、放牧飼養とラップサイレージの給与を組み合わせたハイブリッドな放牧酪農の実践によって、労力やコストの削減につなげながら、高い収益を確保している。環境を最大限に生かした放牧飼養への転換によって、就農後4年目で高い所得率と労働生産性を実現している点や、乳牛の健全性の確保、事故率の低減に取り組んでいる点などが評価された。
意見・体験発表の部で最優秀賞を受賞した荒井さんのテーマは「『平田ロッソ牛』~循環型酪農の挑戦と赤に込めた地元への情熱~」。30歳でUターン就農した荒井さんの、稲WCS(ホールクロップサイレージ)などの増給とエコフィードを活用した循環型酪農の推進や、地元レストランと連携した地域産業ブランド化の取り組みなどについて発表した。
(伊藤まい)
そのほかの発表者と発表タイトルについては次の通り(発表順)。
経営発表の部
福留寛行さん(宮崎県都城市)「リフレッシュしながら黒字経営を目指す」
千葉進也さん(宮城県大崎市・鳴子上原地区)「地域と歩む酪農~生存戦略としての継承と発展~」
網野雄二さん(長野県伊那市)「就農20年目の答え合わせ」
酪農意見・体験の部
横山さとみさん(鹿児島県東串良町)「家族の絆~動き出した私たちの酪農経営~」
小川香奈さん(広島県府中市)「行け!我が想いよ!イッツショウタイム!『貴方と一緒に』~愛を届ける人になりたくて~」
藤井季樹さん(北海道中標津町)「今日の一本が、3年後の牧場を変える」
村岡悦史さん(三重県津市)「私と酪農 出会いそしてこれから」
山中涼穂さん(岩手県岩手町)「21歳の私」
≪酪農経済通信/2026年7月13日付≫
原題:岡山県真庭市の長恒泰裕さんが農水大臣賞

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