日本アイスクリーム協会が創立60周年記念式典 10年後は1兆円市場を視野
- 6月11日
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日本アイスクリーム協会は9日午後、東京・飯田橋のホテルメトロポリタンエドモントで、協会創立60周年を祝う記念式典を開いた。式典には酪農乳業関係者約220人が参集し、同協会と関係団体のさらなる飛躍を祈念した。
式典の冒頭、あいさつした中島英樹会長(ロッテ社長)は、アイスクリーム類及び氷菓の衛生と品質の向上を図り、安全安心な商品を消費者に届けることを目的に1966年に協会が設立されたと紹介し、「戦後間もない時代、業界では衛生環境や品質基準の整備が大きな課題だったが、先人の皆さまの不断の努力と行政の皆さまのご指導により、現在の基準規格や表示制度の礎が築かれた」と述べた。
その上で「日本のアイスクリームは世界に誇れる品質と安全性を備えた商品へと成長し、多くの消費者の皆さまに愛される存在となった。設立当時は510億円ほどの規模であったアイスクリーム市場は、2025年度には6,631億円へと大きく成長し、昭和の時代には子供のおやつというイメージが強かったアイスクリームも、各社の技術革新や商品開発の努力、高品質・高付加価値化が進み、今では世代を問わず楽しめる『キング・オブ・スイーツ』として日本の食文化の一端を担う存在に発展した」と評したほか、訪日外国人の増加などを背景に、日本独自の繊細な味づくりや品質の高さが海外からも高く評価されているとも述べ「アイスクリームは日本の食文化を世界に発信する魅力ある商品のひとつになりつつあると感じている」と話した。
中島会長は「当協会としても『アイスクリームでみんなを笑顔に』を合言葉に、衛生品質向上への取り組みはもとより、アイスクリームの日のイベントや情報発信活動、福祉施設への寄贈活動などを含めて、アイスクリームの魅力や楽しさを、広く社会に伝える活動を続けてきた。今後も業界が一致団結し、安全安心を第一に、さらなる品質向上と消費拡大に努めるとともに、日本のアイスクリーム文化の発展に貢献していく」と話し、「10年後、70周年を迎える2036年には、市場規模9,000億円、1兆円という可能性も入ってくる。アイスクリーム業界がさらなる飛躍を遂げられるよう、会員の皆さまと挑戦を続けていきたい」と力を込めた。
消費者ニーズに適切に対応し、消費も堅調
来賓あいさつで厚労省の大坪寛子健康・生活衛生局長は、上野賢一郎厚労相の祝辞を代読した。
大坪局長は、協会の歩みについて触れる中で「わが国の食生活の向上、多様化などに伴いさまざまな商品を開発され、同時に安全性の確保にご尽力いただくことで、消費者のニーズに適切に対応されてきた。これらの取り組みで、アイスクリーム類の消費量も堅調であると伺っている。アイスクリーム類を原因とする食中毒の発生件数が昨年も0件であったことは、他業界の模範であり、皆さまのご努力の賜物であると受け止めている」と話した。
その上で「2018年に成立・公布した改正食品衛生法では、HACCPに沿った衛生管理の義務化や、広域的な食中毒事案の対策強化などを行ってきたが、昨年10月からは施行5年をめどとした見直しの検討を厚労省で行っている。引き続き食品衛生上の措置に関する現状や論点を整理して、今後の対応策について議論を進めていきたい」と述べた。
牛乳乳製品の消費をけん引するエンジンに
乳業界を代表して、日本乳業協会の岡田臣弘専務が佐藤雅俊会長(雪印メグミルク社長)の祝辞を代読した。
岡田専務は「1966年の創立以来、歴代会長をはじめとした会員各社の皆さまが情熱を傾けて築き上げてこられたアイスクリーム文化は、今や日本の生活に欠かすことができない、日々を彩る至福の象徴と呼べる存在になった」として、そのたゆまぬ歩みと日本の食文化への貢献に敬意を表した。
さらに「貴協会が設立以来一貫して掲げてこられた衛生・品質の向上を図り、安全安心な商品を提供することで豊かな食生活に寄与するという高い志、その原点ともいえる理念を、60年の長きにわたり、いかなる時代も粘り強く実行し続けてこられたことこそ、揺るぎない消費者の信頼を築き、本日の驚異的な発展を支える真の礎となったものと確信している」とした。
また10年前の50周年を振り返り「(アイスクリームの)市場規模5,000億円に向け、お互いのさらなる発展を誓い合ったが、その後の成長は目覚ましく、昨年度の市場規模は6年連続で過去最高を更新し、6,631億円に到達された。この驚異的な躍進はアイスクリームが日本の菓子界において、名実ともに揺るぎない『キング・オブ・スイーツ』へと昇華した証にほかならない」と述べ、「かつてはお子さま中心の楽しみであったアイスクリームが、今や季節を問わず愛される日常の贅沢、洗練された風味を愛でる大人のデザートへと劇的な進化を遂げた。この嗜好の変化を捉えた貴協会の創意工夫こそが、市場をここまで押し上げた真の原動力である」と評した。
さらに岡田専務は「特筆すべきは世界市場における目覚ましい成果で、徹底した品質管理に裏打ちされた日本クオリティは海外でも高く評価され、輸出額はこの10年で約3倍にまで急成長した。この伸長は国内酪農にとっても新たな希望の光であり、日本の乳業全体の価値を世界に知らしめる大きな力となっている」と述べた上で「両協会は、乳という自然の恵みを通じて、人々の健やかな食生活を支える最良のパートナーだ。アイスクリームは牛乳乳製品の消費をけん引する力強いエンジンであり、酪農家の誇りでもある。高品質な乳原料を私たちが責任を持って安定供給し続けることで、共に豊かな未来を切り拓いていきたい」と結んだ。
(山根藍利)
≪酪農経済通信/2026年6月11日付≫
原題:日本アイス協が創立60周年で記念式典開く
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