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福島・浪江町の復興牧場「シャインコーストファーム」が落成式 11日から生乳出荷へ

  • 4月10日
  • 読了時間: 3分

 【浪江町=福島】福島県浪江町は9日午前、同町を含む県内の酪農業の再生や農業技術の研究発展などを担う「シャインコーストファーム」の落成式を執り行い、浪江町の吉田栄光町長や、シャインコーストファーム㈱の紺野宏社長(福島県酪農協組合長)をはじめ、農水省や復興庁などの関係者が出席し、2021年の着工開始から約5年を経て稼働を開始する大規模復興牧場の門出を祝った。

 同牧場は10日に搾乳牛約30頭を搬入し、11日から生乳出荷を開始する。最大飼養頭数は2,300頭で今後徐々に増頭を進める予定。敷地面積約25haに牛舎10棟を含む全18施設を併設、敷地内には研修・宿泊施設や研究施設なども備えている。若手酪農家の育成や、福島大学・東北大学大学院と連携した学生の学びの場としての活用、研究機関などと連携した農業技術の発展に資する研究なども進めていく。

 落成式の冒頭あいさつで紺野社長は、東日本大震災や福島第1原発事故などによる被害に触れる中で「私たち酪農家の仲間は避難し、休業を余儀なくされた。これまで県内酪農の再構築のために2カ所の復興牧場が設立されて生乳生産の回復に努めてきたが、時間の経過とともに震災の影響や高齢化、継承問題などを契機に廃業する酪農家が後を絶たず、生乳生産の回復はおろか維持さえも困難な状況になった」とこれまでの経過を振り返った。

 その上で、浪江町で大規模復興牧場を立ち上げた背景に触れ「安定した生乳生産基盤の確保のため、第3の復興牧場が構想された。『浜通りに再び酪農の灯を』という提案だ。背景には被災地の除染後の農地回復や安定した作付けに対する期待があったのだと思う。循環型農業の核となり地域営農の核となれるのは、やはり畜産であり、中でも乳牛であると思う」と力強く語った。

 紺野社長は「シャインコーストファームでは第1に、安定した生乳生産と出荷に向けた牧場運営に取り組むことになるが、求められているのはとても大きい課題や目標となる。まずは以前のような浪江町の肥沃な農地の復活が必要であり、震災前に先輩酪農家たちが行ってきた耕畜連携による土づくりと餌づくりが重要になる。ひと足先に浪江町に戻り、酪農を再開した友人たちとともに、再び豊かな農地で生乳生産を展開できる日はそう遠くはないと思っている」と期待を語った。

 最後に紺野社長は「私たちが目指す『シャインコーストファーム』は単なる酪農施設ではなく、地域と共に歩むプロジェクトであり、牛と共に働く人を育てて、町の未来を共につくる場所だ。シャインコーストファームで働くスタッフだけではなく、地域の方々にとっても誇れる場所にしていくことが、大規模復興牧場の建設を快く引き受けてくれた浪江町への恩返しにつながると信じている」と話し、今後の牧場運営に向けて決意を示した。

 関連記事は『酪農経済通信』次号以降に掲載。

 (伊藤まい)

 ≪酪農経済通信/2026年4月10日付≫

 原題:シャインコーストファームの落成式を開く

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