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脱粉の在庫削減対策に関する発言が相次ぐ 九州・沖縄牛乳協会総会

  • 4月22日
  • 読了時間: 5分
九州・沖縄牛乳協会の令和8年度通常総会
九州・沖縄牛乳協会の令和8年度通常総会

 九州・沖縄牛乳協会が4月16日に開いた令和8年度通常総会の来賓あいさつで、酪農乳業関係者からは最近の酪農乳業情勢に対する言及と併せて、緩和基調が続く生乳需給を巡り、生処協調による脱脂粉乳の在庫削減対策への協力を求める呼び掛けのほか、牛乳類の消費拡大を進める必要性などに対する発言が相次いだ。

 関連記事は『酪農経済通信』2026年4月20日付に掲載。


牛乳価格維持の観点からも在庫対策が必要


 Jミルクの渡辺裕一郎専務は、生乳需給の課題を巡り、牛乳消費が減っていることが脱粉在庫の増加要因だと前置きした上で、Jミルクの「酪農乳業需給変動対策特別事業」に触れ「昨年度から生処の皆さまから基金として拠出金を頂戴し、そこで事業を新たにスタートしている。ただし、事業の参加については生産者の方々に比べると、乳業者の方の参加は少ない状況にある」と話し、生乳ベースで見た場合、生産者は97.5%が参加している一方で乳業者はそれよりも参加者が少なく、差が付いていると説明した。

 その上で「今の状況が続けば、脱粉の在庫処理がキャパを超えて需要以上の生乳供給が続き、(生乳の仕向けが)牛乳に向かうことになる。そうなると、牛乳の適正価格が本当に維持できるのか。それが乳価に跳ね返って生産基盤の弱体化につながるのではないか。酪農あっての乳業という話もあった通り、全ての乳業者に影響が及ぶのではないか」と話した。

 このような状況を受けて、九州牛乳協会の長谷川敏会長(乳業連合会長)の提案により、乳業連合の会員を中心に生処協調で造成する基金への参加を呼び掛けた結果、基金への乳業者の参加数はこれまでの78事業者から99事業者に増え、生乳ベースでも88.5%に上昇したと説明、引き続き事業参加を呼び掛けた。

 さらに渡辺専務は「ただし、今の基金規模では脱脂粉乳の需給ギャップに対応できない。さらなる在庫削減のための具体的な対応策を検討している。『戦略ビジョン特別委員会』での議論や、5月のJミルク理事会を経て、6月のJミルク総会で一定の方向性を打ち出していければと考えている。皆さまとは引き続き連携を密に、情報共有を図りながら対応させていただきたい」と話し、協力を求めた。


クロコン導入は生産者間の公平性に資する


 日本乳業協会の本郷秀毅常務は、Jミルクが事業実施主体となって実施している「酪農乳業需給変動対策特別事業」を巡り、「乳協では、以前から食料・農業・農村政策審議会畜産部会等を通じて需給調整に関連して課題となっている生産者間の公平性に資するよう、需給に関連する補助事業や制度には需給調整に協力することといった趣旨のクロスコンプライアンスの導入を検討してはどうかと提案してきた」と話した。

 その上で「(今回、クロコンを導入した)行政のご尽力に応えるためには、業界としても全国のできる限りの生産者と乳業者が事業に参加し、基金に拠出することが求められていると考えている。このため、乳協としても再三に渡り、乳業各社に協力を要請してきた結果、参加事業者は着実に増えている」と述べ、参加していない事業者に対して協力を求めた。

 また「合理的な費用を考慮した価格形成」を巡っては、4月からの食料システム法の完全施行後の動きとして、飲用牛乳や米などの品目がコスト指標を作成する「指定飲食料品」に指定されたことや、米に関しては今月7日にコスト指標の公表が行われたことなどを説明した。

 このうち飲用牛乳に関しては、コスト指標作成団体として乳協も参加している「飲用牛乳のコスト指標作成推進会議」が立ち上げられたことに言及し「コスト指標の作成と公表などについては、認定申請によると10月頃をめどとしており、まだ先のことになりそうな状況となっている。法に基づく事業者の『努力義務』や『判断基準』については、公表されたガイドブックなどを見ると、取引に関する一般的な商慣行をまとめたような内容となっている。少なくとも改善を積み重ねてきた生産者と乳業者間の生乳取引においては、問題となるようなことはなさそうだと感じている」と述べ、引き続き関係者の意見に耳を傾けて行政の推進を議論し、業界の意見反映に努めていくとした。


生産者が一丸となり、需要期生産を頑張る


 九州生乳販連の中村隆馬会長は、生乳生産の現状を巡り、特に需要期生産に取り組んでいると述べ、「しかし、(不需要期となる)年末年始そして年度末、年度初めの生産においては、どうしても加工向けが大量に発生する状況にある。9月の最需要期の生産においても、九州では非常に夏場の生産は厳しいものがある。皆さんに非常に迷惑をかけているところもあるが、生産者が一丸となって夏場の生産を頑張っている」と話し、域内での牛乳類の消費拡大に向けて理解醸成活動にも取り組んでいると説明した。

 その上で、全国と同様に九州でも酪農家戸数の減少が続く中で、生乳生産の減少率は1~1.5%にとどまっていると述べ「各農家が非常に努力して、暑熱対策であったり、ゲノムを使った乳牛の改良などにも一生懸命取り組んで生産が伸びていると私は考えている」と話し、生乳生産基盤の維持に向けた取り組みを紹介した。

 (斎藤丈士)

 ≪酪農経済通信/2026年4月22日付≫

 原題:脱粉の在庫削減対策に関する発言が相次ぐ

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