top of page

自民党、メルコスールEPA交渉で重要5品目への配慮など決議

  • 7月2日
  • 読了時間: 3分
江藤拓本部長
江藤拓本部長

 ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ、ボリビアの南米5カ国による関税同盟「メルコスール(南米南部共同市場)」とのEPA交渉開始合意を受けて、自民党は7月1日午後、党本部でTPP・日EU・日米TAG等経済協定対策本部を開き、決議を採択した。7月6日の週にも茂木敏充外相に申し入れる。メルコスールは6月30日、パラグアイで首脳会議を開き、日本とのEPA交渉を開始するとした共同声明を発表していた。

 会合の冒頭、あいさつした江藤拓本部長は、生産現場ではメルコスールとのEPAが日本の畜産に与える影響の大きさを認識し始めていると指摘した上で、「(メルコスールの市場は)あまりにもスケールが違いすぎる。レアメタルや原油などの資源が欲しいからと(交渉で)安易な妥協をすれば、畜産だけではなく農業の構造自体が崩れてしまう。そのことをしっかり自覚した上で、本部としては活動していきたい」と話した。

 さらにEPA交渉の内容に関して「重ねて申し上げるが、日本が欲しいものをしっかり取るということが大事であれば、鉱物資源や原油開発について、日本の経済界がしっかり金を出し、それによって埋もれている資源がそれぞれの国を潤すことになって雇用が生まれ、プラントが生まれ、鉱物資源も日本に入ってくる。これがメルコスールとの経済連携協定で描ける最高のシナリオだと私は思っている」と述べた。

 さらに江藤本部長は「相手の熱意が強く、ハードルが高いことは重々承知しているが、特に畜産品については交渉の枠の外に置くことができれば、それがベストだと思う」と話し、交渉そのものについて「長い戦いになる」と語った。

 会合終了後に報道関係者からの取材に応じた江藤本部長は、ブラジルなどの牛肉輸出価格に言及する中で、交渉の結果、低価格帯の牛肉が大量に輸入されることになれば、酪農家の副産物収入にも影響するだけではなく、F1(交雑種)の個体価格にも影響すると強い懸念を示し、「相手があまりにも大きい。影響を試算することすら躊躇される状況だが、茂木外相に会った時に、しつこいくらいに説明するつもりだ」と話した。

 「日・メルコスール経済連携協定の交渉開始に関する決議」では、EPA交渉を行う場合は、守り抜いてきた国益が損なわれるような合意は絶対に行わないことを要望したほか、企業による投資の拡大を通じた権益確保によって石油資源や重要鉱物のサプライチェーンの多角化が成されるよう、経済安全保障上の利益の確保につながる成果を目指すよう求めた。併せて、農林水産業が今後も国の基として発展しつつ役割を果たしていけるよう、重要5品目をはじめとしたセンシティビティに十分配慮をした上で、守るべきものは守るという観点で、政府が一体となり毅然とした対応を行うことなどを要望した。このほか、糖価調整制度や豚肉の差額関税制度などの堅持、動物検疫の維持、輸出促進に向けた攻めの交渉なども求めている。

 (山根藍利)

 ≪酪農経済通信/2026年7月2日付≫

 原題:メルコスールEPA交渉で自民党が決議

bottom of page