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自民党、水田政策見直しの提言案 生産と需要の双方を強化

  • 5月18日
  • 読了時間: 4分
15日朝、自民党本部で行われた食料安全保障強化本部・総合農林政策調査会・農業構造転換推進委員会・農林部会の合同会議
15日朝、自民党本部で行われた食料安全保障強化本部・総合農林政策調査会・農業構造転換推進委員会・農林部会の合同会議

 水田活用の直接支払交付金(水活)など水田政策の見直しをめぐり自民党は15日朝、党本部で食料安全保障強化本部・総合農林政策調査会・農業構造転換推進委員会・農林部会の合同会議を開き、令和9年度(2027年度)からの水田政策の見直しに関する提言案を示した。政府に対して今回の取りまとめを踏まえ、年末に向けた令和9年度予算編成過程の中で詳細の検討を進めるとともに、単価水準や地域平均単収など具体的設計について農業者の努力が報われるものとするよう、強く求めるとしている。


田畑フル活用で食料安全保障の強化を図る


 今回取りまとめた「新たな水田政策(コメの中長期対策)の基本的な考え方」では、農業者の急減など農業の構造変化が見込まれる中で、将来にわたって国民へ米をはじめとする食料の安定供給を果たすために、水田・畑に関わらず、土地生産性の向上(単収の向上)と労働生産性の向上(省力化、コスト削減)の双方を進め、多様な需要に応じた生産による田畑フル活用により食料安全保障の強化を図るとし、生産面・需要面の双方を強化する新たな水田政策を創設するとした。

 新たな水田政策では、非主食用米・業務用米の生産性向上や、麦・大豆・飼料作物等の作物ごとの生産性向上、産地交付金の見直し(施策効果の検証、配分方法の改善)など「水田活用の直接支払交付金の抜本的見直し」のほか、「コメ・コメ加工品の輸出拡大、米粉の需要創出等の国内外の需要拡大」「中山間地域等直接支払・多面的機能支払の見直し、新たな環境直接支払の創設」を掲げた。

 このほか、主食用米の円滑な流通、官民の備蓄体制の確立や食料システム法に基づくコストに見合う価格形成の促進、稲作農業者のセーフティネット対策などの米需給と価格の安定を図る措置を併せて講じるとした。

 新たな水田政策は、令和9年度から開始することを基本とし、今後、地方説明会などを実施して現場の意見を丁寧に把握しつつ、支援単価・要件等の詳細な制度設計の検討を進め、円滑に開始する。ただし、秋播き麦の作付け等、令和9年度当初には既に作業が始まっている品目の取扱いについては、引き続き検討するとしている。

 水田活用の直接支払交付金の見直しに関しては、主食用の米のうち業務用以外の米については、これまで通り、対象外(単収向上にこだわらない)とした。

 また、主食用の米のうち「業務用米」については、当面、単収向上等の支援を検討するほか、「主食用以外の加工用・米粉用・輸出用等の米、自給率の低い麦・大豆や飼料作物」については、単収向上等を支援する。さらに産地交付金や環境直接支払交付金によって、付加価値向上等も支援するとしている。

 水田政策の見直しのほか、米・麦・大豆の種子を安定的に供給する取り組みを支援するとともに、酒造好適米の安定供給に向けどのような支援が必要か検討する。

 また、付加価値向上に向けて、麦・大豆・新市場開拓用米などについては、実需者の求める品質・数量などを安定的に供給する取り組みを引き続き支援するとしている。

 併せて中山間地域等直接支払、多面的機能支払の見直しでは、地域の営農や共同活動の将来にわたる継続を図っていくとした。


現場の声を踏まえて対策を練り上げてきた


 会合の冒頭あいさつで、森山裕食料安全保障総合対策本部長は「本委員会は昨年の9月からこの総会に至るまで、役員会で22回、平場で13回、約50時間にわたって議論を行い、先生方にはその都度ご指摘をいただき、真摯な議論を積み重ねていただいた。現地調査も2回行い、現場の声を踏まえて対策を練り上げてきた」と述べ、「本日は党としての提言の取りまとめを行い、総理にも申し入れを行いたい」と考えを示した。

 江藤拓委員長は「丁寧に、慎重に、そして熱く議論をさせていただいてきた。やはり自民党という政党は農政に関してきわめて知見が深く、各先生方が本当にちゃんと地元を回って、地元の意見を吸い上げていただいているということを大変感じた」と話した。その上で「だからこそ要望の内容も多種多様であり、100点を目指すのは難しいかもしれない。しかし、構造転換をしなければならないという意識はみんな同じだ。われわれが獲得した5年間で2兆5,000億円の(別枠予算の)事業規模、果たしてこれにとどまり得るものなのかどうかも含めて今後も議論を重ねていきたい」とした。

 (山根藍利)

 ≪酪農経済通信/2026年5月18日付≫

 原題:生産と需要の双方を強化する水田政策を

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