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農水省、「第5次食育推進基本計画」本文案を議論

  • 6月17日
  • 読了時間: 4分
令和8年度第2回食育推進評価専門委員会
令和8年度第2回食育推進評価専門委員会

 第5次食育推進基本計画の策定に向け、農水省は6月15日午後、中央合同庁舎4号館で令和8年度第2回食育推進評価専門委員会をオンラインを併用して開き、同省が示した「第5次食育推進基本計画」の本文案をめぐり議論した。

 本文案では、2026年3月に公表した骨子案を軸に、5月に公布・施行された改正食育基本法を踏まえ、食料安全保障確保の観点を加えたほか、生産現場とのつながりの確保を図る「農林漁業教育」は、地域等との連携・協働の下で推進するとした。重点事項として①学校等での食や農に関する学びの充実②健全な食生活の実現に向けた「大人の食育」の推進③国民の食卓と生産現場の距離を縮める取り組みの拡大――の3本柱は維持しつつ、これまでの議論で得た知見や現場の声を反映した。

 第5次食育推進基本計画では、食育基本法の制定から20年が経ち、食や農林漁業を取り巻く状況が変化する中、国民の食への価値観の多様化や、栄養バランスの偏り、食習慣の乱れ、生産者と消費者との関係希薄化などを念頭に、食育を通して国民の健全かつ充実した食生活を実現し、またそれを支える地域社会の活性化や食文化の継承、食料安全保障の確保などを図る。取り組みの定着を目指し、個人・地域で区別した数値目標を設け、それぞれ重点事項との関連性も整理した。

 本文案では具体的な施策として、食に関する指導の充実に向けては学校教育活動全体を通じて組織的・計画的に推進するとした。また、全教職員が連携・協働した食に関する指導体制を充実するための取り組みを推進するとしつつ、「農林漁業教育」に当たっては、教育現場に負担が寄り過ぎないよう、農政部局や関連団体との連携、地域人材の掘り起こしや活用も進めていく。

 また、食料安全保障の考え方を踏まえ、生産から消費、産業まで食と文化や社会、環境との関係も含めた食を取り巻く変化等の時代に即した専門知識を備えた管理栄養士、調理師などの活躍が期待されるとして、その養成を担う大学などで卒前、卒後教育に取り組むと示した。

 そのほか、生産者と消費者との交流の促進に向けて取り組まれる農林漁業者等による食育の推進に当たっては、酪農教育ファーム等の民間主導の取り組み等も含め、全国の農林漁業体験に関する情報の取りまとめや発信、必要な情報提供等により、農林漁業者の活動の支援や消費者の参加を促すとした。


酪農教育ファーム活動、文科省にも認知を


 出席委員からは、本文案に対しておおむね肯定的な意見が挙がった。特に数値目標については、第4次食育推進基本計画で設定したものと比較して現実的になったという意見が出たほか、目標の取り組み主体を個人と地域で区別したことで分かりやすくなったという意見も挙がった。一方、食育というトピックをいかに消費者に浸透させるかについては、さらに検討が必要ではないかという指摘もあった。

 このうち、酪農家の大井幸男委員(大井牧場代表、地域交流牧場全国連絡会会長)は、計画案の中で学校など教育現場で食育を推進していくとした点に触れ、中央酪農会議の「酪農教育ファーム」の取り組みについて紹介。現場で活動を行う度に好評が得られる一方で、教育現場の担当者の変更などによって認知が進まないと指摘し、「文科省の方々にも酪農教育ファームの存在をもっと知ってもらえたら、さらに話が早く進むと思う」と発言した。

 放送作家の小山薫堂委員(京都芸術大学副学長)は「大人の食育」推進に共感を示しつつ、「食育を主語にすると伝わりにくい。食はエンタメであり楽しいもので、わくわくする装置だということをパッケージに企画しながら、その中で食育につながるものであるべきではないか」と話し、「食育はあくまでステルスマーケティングみたいなものとして、(企画を体験した消費者が)後からそれが食育だったと気が付くのが理想的ではないか」と意見を述べた。

 また、竹野浩樹委員(日本チェーンストア協会食品委員会委員長、同協会常任理事)は「生活者、消費者との接点が非常に多い団体として、(消費者の)行動変容を促すことに貢献できればと思う。第5次計画は流通、小売の業界と極めて親和性の高い制度設計になり、われわれとしても活用しやすくなった」と述べた。

 (山根藍利)

 ≪酪農経済通信/2026年6月17日付≫

 原題:「第5次食育推進基本計画」本文案を議論

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