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農水省、水活見直し案を提示 麦・大豆や飼料作物の単収向上等を支援へ

  • 4月10日
  • 読了時間: 5分

 水田政策の見直しに向けて農水省は8日、自民党農業構造転換推進委員会の会合で水田活用の直接支払交付金(水活)見直しに関する方向性の案を示した。主食用以外の加工用・米粉用・輸出用等の米、自給率の低い麦・大豆や飼料作物については、生産性の向上に向けて単収向上等を支援する方向性を打ち出したほか、主食用米のうち「業務用米」に関しては単収向上などの支援策を講じるとした。

 一方、飼料作物に関しては、国産飼料の生産・利用を拡大するには、飼料生産に必要な農地や労働力確保と生産性の向上が必要になるとした上で、持続的で効率的な飼料生産体制の構築を推進していくことが必要になるとした。


業務用米も対象に追加、生産性向上を図る


 米の生産性向上に向けた対応方向として、米については、農業者の数が減少する中、国際情勢や気候変動等への対応や、国内外の需要拡大を進めつつ、それに応じた多様なニーズ・用途の米を安定供給できる環境を整備する必要があるとしている。担い手への農地集積・集約等の構造転換の推進とともに、単収向上や省力化生産、気候変動対応など生産性を向上させることが重要になるとした。

 また、麦・大豆の生産性向上に向けた対応方向では、排水対策等の基本技術や新品種の導入等が不十分で、実需者が求める安定的な数量・品質を供給できていない地域も存在するとした。このような状況を踏まえ、麦、大豆の生産性向上に向けて排水対策等の基本技術の励行に加え、近年開発された多収性、耐病性等を有する新品種の普及を行い、単収の向上等を図っていくことが重要になるとしている。

 食料の安定供給に向けた現行支援策と見直しの方向性に関する案として、水活(水田活用の直接支払交付金)の見直しでは、作物ごとの単収向上等による生産性向上を図るとしたほか、その他の支援策では、引き続き付加価値向上を図り、田畑フル活用を推進するとした。

 このうち「水活」に関して、主食用の米のうち業務用米以外の米はこれまで通り対象外とし、単収向上にこだわらないとした。また、業務用米については、当面、単収向上等の支援を検討するとしている。

 さらに、主食用以外の「加工用・米粉用・輸出用等の米、自給率の低い麦・大豆や飼料作物」については、単収向上等を支援するとした。なお、収量に応じた支援とするが、単収基準は、全国一律の平均値ではなく地域差に配慮した形とするほか、災害等のやむを得ない事情による減少にも配慮するなど、地域の実情にあった形での支援とする。

 併せて産地交付金によって付加価値向上等も支援するほか、環境直接支払交付金により、付加価値向上等を支援するとした。このほか、米・麦・大豆の種子を安定的に供給する取り組みを支援するほか、付加価値向上に向けて麦・大豆・新市場開拓用米などについては、実需者の求める品質・数量などを安定的に供給する取り組みを引き続き支援するとしている。


効果を定量的に検証し、支援内容を見直す


 また、農水省が都道府県や全国の地域農業再生協議会を対象に実施した「産地交付金実態調査」で明らかとなった課題として、産地交付金を通じて達成すべき目標が、作付面積の拡大に偏重し、支援による生産性・収益性向上や、供給の安定化といった効果を評価できる目標が設定されていないことや、支援内容の見直しを実施しているものの、必ずしも支援の効果検証を踏まえた見直しとなっていないことなどが明らかになったという。

 調査結果を踏まえた見直しの方向性として、新たな産地交付金については、支援の効果を評価できる目標設定を行い、その効果を定量的に検証して支援内容を見直すとともに都道府県への配分基準が取り組みへのインセンティブになるよう検討するとした。併せて地域の実情に応じ、水田・畑に関わらず、中山間地域等の条件不利地域も含め、産地形成がなされるよう仕組みを検討していくとしている。


持続的で効率的な飼料生産体制構築を推進


 この日の会合では「飼料作物の生産性向上に向けた対応方向」も示した。限られた労力で農地を有効に活用し、国産飼料の生産・利用を維持拡大していくためには、これまで構築してきた耕畜連携体制や飼料生産組織を維持・強化していく必要があるとした。担い手への農地の集積・集約等の構造転換の推進とともに、優良品種の導入や排水対策等による生産性向上を進め、持続的で効率的な飼料作物の生産・利用を確立していくことが重要になるとしている。

 現状と課題を踏まえた今後の「対応方向案」として、畜産農家の減少と経営規模の拡大が見込まれる中で、国産飼料の生産・利用を拡大するには、飼料生産に必要な農地および労働力の確保と生産性の向上が必要になるとした。

 これまでの水田における飼料作物生産については、耕種農家側の転作作物の一つとして水田政策において支援してきたものの、今後は畜産政策としても飼料作物の単収向上などの生産性を向上しつつ、畜産農家側の求める飼料が量および質ともに安定供給されるよう、「優良品種の導入」「作物に適した栽培条件の改善」「飼料生産組織による効率化」「省力化技術の導入」などによって、持続的で効率的な飼料生産体制の構築を推進していくことが必要になるとした。耕種農家が生産する飼料用米については、飼料用米による畜産物の差別化を行っている畜産農家が足元で存在することも踏まえた対応を図っていくとしている。

 (山根藍利、斎藤丈士)

 ≪酪農経済通信/2026年4月10日付≫

 原題:麦・大豆や飼料作物「単収向上等を支援」

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