top of page

酪農学園大、農環境情報学類の研究を紹介 紀伊國屋書店でセミナー

  • 6月22日
  • 読了時間: 3分
講演する日向貴久教授
講演する日向貴久教授

 【札幌】酪農学園大学は6月13日、札幌市の紀伊國屋書店札幌本店で農環境情報学類セミナー「農と環境のつながりを考える」を開催した。2026年4月に新設された同学類の経営情報分野から日向貴久教授と石川志保准教授がそれぞれ講演した。

 同学類は農業や環境分野でドローンなどの情報技術や社会調査手法で情報の収集・分析を行い、地域課題を可視化し、解決に向けた取り組みを推進する人材を育成することとしている。セミナーは同学類の研究や取り組みを市民に紹介するもので、紀伊國屋書店の協力により数回にわたって開催することとしている。

 1回目となる今回は「世界と比べて見る日本の酪農」と題して、日向教授が「日本の酪農は特別なの?――世界と比べて見える生産と環境のリアル――」、石川准教授が「ふん尿から見えてくるエネルギーと地域のつながり」と題して講演した。

 日向教授は日本の酪農について世界各国から見た生乳生産量や飼養規模、耕地面積などを紹介し、北海道と都府県の酪農の違いなども解説した。

 その上で、牛のゲップが地球温暖化の原因であるとされることについて「間違いではない。牛乳ができるまでの環境負荷を考えると牛乳1Lをつくるのに700gほどのGHG(温室効果ガス)ができる。ゲップはそのうち52%を占める」としつつ「牛乳は同じ1kgのCO2を出したときの栄養価が最も高い。何を基準に評価するかで変わる。見方を変えることにより負荷は変わってくる」と指摘。「どこの部分を切り取ったかを見る力が大切」と強調した。

 また「家畜の餌の86%は人間が食べられない物。人間が食べられない物を肉や乳に変えるのが畜産の本質なはず。餌(飼料)を生産している土地はそもそも他の耕作ができないから(飼料畑に)使われている」とした上で「見えているからといって理解できているわけではない。情報を読む力が必要になってくる。だから数字やイメージに惑わされず多面的に考えることが大事」と呼びかけた。

 石川准教授は、牛1頭から1日当たり65kgの糞尿が排せつされるとした上で「量が多いからこそ資源にも問題にもなる」と説明し、バイオガスプラントを紹介。「なぜ糞尿からエネルギーを取らなければならないかというと、エネルギーコストや肥料価格が高く、環境にも配慮しなければならないため」とした上で、バイオガスプラントでの発電によって糞尿が電気と肥料に変わる仕組みを解説した。

 石川准教授は2025年度、ドイツに留学しており、その知見を基に最新技術も交えてバイオガスプラント導入に向けた取り組みを紹介。「(バイオガスプラントは)農村だからできるエネルギーの組み合わせ」と強調した。

 (佐藤世一)

 ≪酪農経済通信/2026年6月22日付≫

 原題:農環境情報学類の研究を紹介――酪農学園大

bottom of page