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鈴木農相が獣医学生と意見交換 産業動物獣医師の確保へ認知強化

  • 7月24日
  • 読了時間: 4分
獣医学生と意見交換する鈴木憲和農相
獣医学生と意見交換する鈴木憲和農相

 【相模原】鈴木憲和農相は2026年7月21日、神奈川県相模原市の麻布大学を訪れ、獣医を志す学生約120人と意見交換を行った。獣医系大学卒業者の就職先が小動物診療に偏り、産業動物分野の獣医師不足が産業課題となる中で、次代の担い手となる獣医学生たちと、担い手確保に対する課題や対策を話し合った。

 意見交換は事前に行ったアンケートを基に進められた。アンケートでは獣医師になりたいと思った時期や理由のほか、産業動物診療に対するイメージや将来の職業を決めるのに重視する項目などを聞いている。

 獣医師を志したタイミングに関するアンケート結果では、回答数99人のうち「高校」が42人で最多だった。次いで「小学校低学年」が20人、「小学校高学年」が19人、「中学校」は10人となった。また、産業動物診療に対するイメージは「体力的にきつそう」が最多で、後に「食の安全や食の安定供給に貢献できそう」「勤務地が畜産業の盛んな地域(非都市部)になりそう」「農家さんとのコミュニケーションが大変そう」と続いた。

 アンケート結果を踏まえ、鈴木農相は、大学入学前から小動物診療を志している学生が多いことを前提に、「私たちがどの段階から何をやれば、もっと産業動物の獣医師、もしくは公務員獣医師が増えると思うか」と学生らに質問した。

 産業動物の獣医師不足の原因について、学生からは「大学に入る前に産業動物に触れる機会が小動物と比べて少ないからだと思う。牛や鶏など、産業動物に触れる機会を増やした方が仕事を知るきっかけとかにもなると思う」といった意見や、「獣医師は動物が好きじゃないとできない仕事だし、動物が好きだからこそ辛い仕事でもある。仕事内容を大学に入る前に知る方法ややりがいを知る方法がもっとあれば、獣医師を目指す人が増えるのではないか」といった意見が挙がり、若い世代が獣医師を志した早い段階で小動物以外の動物に触れる機会や、産業動物獣医の存在を認知できる仕組みの必要性が示唆された。

 このほか、産業動物診療に対するイメージとして、学生からは「(実際に仕事をする上で、農家は)田舎で高齢の方が多く、価値観が違う。『嫁に来てくれ』とか言われるかもしれない」といった意見も挙がり、世代や地域による感覚の差も担い手確保に対する課題として横たわっていることも示された。

 意見交換の後、報道関係者からの取材に応じた鈴木農相は、「獣医師を目指す学生のほとんどが、小動物診療を行き先として考えて学ばれているというのが現実で、畜産を支える産業動物獣医師や、県の家畜衛生を担う公務員獣医師がかなり足りない状況だ」との現状認識を示し、「獣医師を目指す多くの若い世代の皆さんに、産業動物という日本の食を支える大事な分野を知ってほしかった。同時に、どうすれば産業動物分野に関心を持ってもらえるのか、学生の皆さんの率直な意見やアイデアを聞きたかった」と今回の意見交換の目的について説明した。

 また鈴木農相は「印象的だったのは、多くの皆さんがペットを飼っていたこと」と続け、子どもの頃から家族のように小動物に親しむことで、小動物診療も身近だったのではないかと分析。一方で産業動物の獣医師は畜産の生産現場にあり、身近ではないという現実も示した。

 その上で鈴木農相は「学生からは、小学校高学年や中高生の早いうちに産業動物分野の獣医師の仕事を知る機会が大事ではという指摘があった。また仕事の役割が国にとって食の安全を支えるかけがえのないものであり、社会への貢献の度合いが高いことを、もっと伝えるべきという話もあった」と振り返り、「(産業動物分野に)関心を持たせる入り口が増える取り組みを今後強化していきたい」と話した。

 さらに「役所も制度をいろいろとつくってはいるが、学生の皆さんがどう考えているのか。どう訴えかけていけるのか、実際に当事者に聞いた上でつくっているわけではない。これからそういうコミュニケーションをしっかりとっていきたい」と述べた。

 (山根藍利)

 ≪酪農経済通信/2026年7月23日付≫

 原題:産業動物獣医師の確保へ学生と議論――農相

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