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飲用牛乳のコスト指標、毎年10月に公表へ 高価格帯・低価格帯の2種類を作成

  • 4月14日
  • 読了時間: 4分

 合理的な費用を考慮した価格形成に向け、4月7日にコスト指標を発表した米に続き、飲用牛乳でもコスト指標の作成に向けた協議が進んでいる。鈴木憲和農相は10日に開いた閣議後会見で、飲用牛乳について3月26日付でコスト指標作成団体の認定申請があったことを明らかにした。

 コスト指標作成団体として認定申請を行ったのは「飲用牛乳のコスト指標作成推進会議(渡辺裕一郎代表)」で、会員としてJミルクのほか、中央酪農会議、日本乳業協会といった酪農乳業団体、牛乳の販売を代表する団体として全国スーパーマーケット協会、日本スーパーマーケット協会、日本チェーンストア協会が参画している。

 飲用牛乳のコスト指標として「高価格帯」と「低価格帯」の2種類を作成し、生産費として「都府県の50~100頭規模」を採用するとした。指標の公表時期は毎年10月を目途とするが、飼料価格の急激な変化など特段の事情が生じた場合は、随時改定も可能とする。

 4月1日に全面施行された食料システム法では、通常の取引において費用が認識しにくい飲食料品を指定するとしており、指定品目(米、野菜、飲用牛乳=成分調整牛乳を除く、豆腐、納豆)ごとに「コスト指標作成団体」を認定し、認定を受けた団体がコスト指標を作成する。

 農林水産省では4月1日付で同法に基づき、米穀機構を米のコスト指標作成団体として認定。米穀機構は7日に米のコスト指標を発表していた。関連記事は『酪農経済通信』2026年4月9日付に掲載。

 会見で鈴木農相は、米以外の指定品目における協議の状況などを尋ねた質問に「飲用牛乳については3月26日付でコスト指標作成団体の認定申請があった。現在、この認定の手続きを進めている。申請では、毎年10月に指標を公表することとされている。また、野菜や豆腐、納豆については、現在、関係者間でコスト指標作成団体の設立に向けて議論が続けられていると承知している。今後ともコスト指標の作成に向けた関係者の検討が円滑に進むよう、しっかりと後押しをしていく」と話した。


Jミルク、中酪、乳協、流通3団体が会員


 「飲用牛乳のコスト指標作成推進会議」が3月26日付で同省に提出した認定申請書によると、飲用牛乳のコスト指標として「高価格帯」と「低価格帯」の2種類を作成する。

 「高価格帯・低価格帯」の定義は、指標の公表年の4~6月の牛乳(成分無調整)の購入価格帯(税別、Jミルクが収集する小売価格のデータを基に農林水産省が作成)の上下5%の外れ値を除外した上で、上下から35円の幅をそれぞれ高価格帯、低価格帯とする。令和6年(2024年)の場合は、高価格帯が「270~304円」、低価格帯が「175~209円」になると例示した。

 「生産、加工、製造、流通又は販売の各段階で要する費用に係る費目」として、「生産・集出荷」段階では、物財費(うち流通飼料費)、労働費、支払利子等、農協手数料、輸送費、加工費用、その他とした。

 「製造」段階では、原材料費、製造関係経費、一般管理費、販売費を挙げたほか、「小売」段階では、人件費、物流費、水道光熱費、減価償却費、地代・家賃、販促費、その他経費を挙げている。


生産費「都府県の50~100頭規模」採用


 各段階で要する費用に関するデータの収集方法や、活用するデータの出典について、「生産」段階では農林水産省の畜産物生産費統計(全参入生産費)を活用し、飼養規模として「都府県の50~100頭規模」を採用した。併せて公的統計等を活用し、集出荷段階・製造段階と同時点の費用となるよう補正するとした。

 「集出荷」段階では、加工原料乳生産者補給金に基づく集送乳調整金を算出するに当たり、農林水産省が指定団体を対象に実施した調査を用いる。

 「製造」段階では、農林水産省が乳業者を対象に実施した調査結果を使用する。「小売」段階では、農林水産省が実施した調査として、総務省の小売物価統計のほか、スーパーマーケット年次統計調査に基づく粗利率、上場スーパーマーケットの財務情報に基づく販売管理費を求め、コストを算出するとした。

 公的統計等を活用して集出荷段階・製造段階と同時点の費用となるよう補正する。なお、集出荷段階と製造段階では、農林水産省が実施するコスト構造の実態調査のデータを用いるとしている。

 コスト指標の基準年度と改定頻度については、公表年をn年とした場合、「n-1」年度とし、毎年改定案を会議に諮った上で指標として公表する。

 指標の公表時期は毎年10月を目途にするとしたほか、飼料価格の急激な変化など、特段の事情が生じた場合は随時改定することも可能とする。

 指標の公表方法は、生乳の生産・流通段階または牛乳の製造段階の構成員を中心とする構成員のウェブサイトに掲載するなど、関係者が閲覧可能な形で団体名が明記された資料を公表するとしている。

 (斎藤丈士)

 ≪酪農経済通信/2026年4月14日付≫

 原題:飲用牛乳のコスト指標「毎年10月に公表」

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