《全共プレイバック》都府県勢も躍進、各部で光った牛づくり 第16回全日本ホルスタイン共進会《2》
- 7月13日
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更新日:7月27日

第16回全日本ホルスタイン共進会では、北海道勢が最高位賞を獲得する一方、都府県勢の躍進も目立った。《2》では、未経産・経産の名誉賞牛やハイスクールGP、各部で優等賞1席を獲得した出品者の声から、今大会の改良の現在地をたどる。
※本記事は、月刊デーリィマン本誌(2025年12月号)に掲載した記事を3本に分け、デーリィマンプラス向けに一部体裁を整えて掲載するものです。
未経産全体のレベルの高さ象徴する名誉賞牛
ホルスタイン未経産クラスの名誉賞は、3部(14〜16カ月)に出品された北海道宗谷管内枝幸町・内田喜久男さん(66)のハツピーライン RT アンテロープ ルル。全身のバランスの良さ、胸の深さと幅、肋の深さに加え、歩様の正確さや後肢の鮮明さが高く評価された。飛節の動きの確かさや寛(かん)の位置の良さまで含めて総合的に優れている点が認められ、未経産部門全体のレベルの高さを象徴する1頭となった。体全体の移行の良さが際立っていた点も指摘された。
経産牛の7〜13部で名誉賞を獲得したのは、北海道十勝管内上士幌町・小椋淳一さん(41)が出品した13部(42〜48カ月)のハイロード ラムダ エクスタシー。肋間の広さや乳用強健性、寛の位置の良さ、骨質の確かさの他、後乳房の幅が非常に広く、付着が優れている点も評価を受けた。経産牛らしい落ち着きと厚みのある体つきに、完成度の高い乳房が備わった1頭といえる。小椋さんは十勝の仲間からの支えに感謝しつつ、「優等賞1席を取れただけでも本当にうれしいと思っていたのに、名誉賞ももらえるなんて」と2回目の全共出場でつかんだ栄誉を喜んだ。
未経産クラスの仕上がりの確かさと、成熟した経産牛の迫力。その両方が際立った大会は、各部の代表牛がそれぞれの持ち味を最大限に発揮し、審査員の評価でも接戦となった。ハイスクールGPでは、未経産・経産で最優秀1頭を選出。未経産の部は、群馬県立吾妻中央高校のアガチユー シヤングリラ M ハズイツト ルツク フタゴ(4部、16〜18カ月)、経産の部は、京都府立農芸高校のグロリーオーサ クリーメル クラツシヤブル フイラ(15部、5〜6歳)が頂点に立った。
仕上げに仲間の支え、チームでつかんだ栄誉
北海道勢の層は厚かったが、都府県勢の健闘も際立った。9部(28〜32カ月)でブルーエンゼル ダイグレスが優等賞1席を獲得した群馬県吾妻郡長野原町の萩原一禎さん(44)は、自家繁殖ファミリーの系統から生まれた1頭で挑んだ。10年前に曽祖母に当たる牛が全共に出場した血統で、体型の良さを受け継いできた。「骨格はずっと良かったので乳房を良くしたかった。乳房形状と能力面の改良を積み上げた成果が形になった」と萩原さん。仕上げには地元の仲間「北軽ヤングマン」の支えがあり、チームでつかんだ栄誉だった。
7部(Jサイア娘牛、36カ月未満)で優等賞1席の岩手県九戸郡洋野町・清水牧場の清水利月さんは27歳の若手だ。町の受精卵事業から生まれた良血統のシミズフアーム リンジー サラダで挑戦し、分娩後に体調を崩した時期もあったが持ち直し、「3位以内には入れそう」という自信を証明。東日本ディリーショーでも実績があり、若い後継者が全国の舞台で存在感を示した。この他、都府県勢は8部(28カ月未満、長崎県雲仙市・㈱S.T.M.HOLSTEIN出品のパツシヨンランド ルーク ジヤガー)、14部(4歳クラス、千葉県鴨川市・糟谷英文さん出品のアクテイブデール キングドツク ルエラ)、18部(ジャージー16〜22カ月、岡山県真庭市・丸山昭博さん出品のSRJ コンツアー バラナ)で優等賞1席に輝いた。
ジャージーの名誉賞に選ばれたのは、北海道留萌管内苫前町の中嶋牧場出品のエムコラボ カジノ シエーン グランツ。昨年の北海道ナショナルショウでクラス1位を獲得した実力牛だったが、今年は9月上旬の分娩で仕上げに不安があった。それでも予選を通過し、仲間とスタッフの支えを受けながら本番に合わせた1頭は、しっかりと状態を整えて評価をつかんだ。「うれしい、びっくり」と率直に語る中嶋卓広さん(42)。全共初参加での快挙となった。
審査総評では入江審査委員長が、10年ぶりの開催となった今大会で改良成果が明確に示されたと述べた。未経産では発育良好で活力に富む牛が多く、経産では乳房の付着や後乳房の高さ・幅といった点で進展が指摘された。Jサイア娘牛クラスの充実や、ハイスクールGPも大会の新たな力になったと評価。「長命連産性や疾病抵抗性の向上を目指した体型改良は今後さらに重要になる」と締めくくった。今年の全共は体型改良の現在地と、酪農・乳牛の未来への方向性を一つのリングで示す場となった。
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続く《3》では、酪農資材器具展やゴールデン・ナショナルセール、次回大会に向けた動きを紹介する。
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初出:月刊デーリィマン2025年12月号
初出企画:特集 第16回全日本ホルスタイン共進会 北海道大会
原題:「仲間のおかげ」――牛づくり通じた地域のつながりを再認識
最高位獲得含め貫禄見せた北海道、都府県勢も躍進
※本記事は掲載時点の内容です。
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