「ミルクフェスin豊洲2026」開催 国産牛乳・乳製品の魅力発信、脱脂粉乳活用プロテインにも注目
Jミルクは17日、国産牛乳乳製品の消費拡大へ向けた「牛乳でスマイルプロジェクト」の一環で、東京・豊洲の豊洲公園で「ミルクフェスin豊洲2026」を開催した。

47都道府県の牛乳飲み比べや、新たなヨーグルトの喫食習慣を提案する「ちょいグルト」と一般社団法人ヨグネットの連携によるヨーグルトブース、中央酪農会議と地域交流牧場全国連絡会(交牧連)による牛の親子の展示のほか、乳業メーカーや関連企業・団体などが出展する26のブースが並び、多くの親子連れが牛乳・乳製品を楽しみながら、酪農に親しんだ。
「牛乳で乾杯!」の掛け声でイベント開始

オープニングイベントであいさつした農水省の谷村栄二畜産局長は「今日は牛乳を飲むにはふさわしい天気になった。牛は生き物で、(牛乳も)急に増やしたり減らしたりできない。だからこそ、安定的に皆さんに(牛乳乳製品を)飲んで、食べていただくことが一番大事だ」と呼びかけた。
また、親子連れで賑わう会場を見て「これからのことを考えた時、お子さまにこれだけ集まっていただき、非常に心強い」と述べ、これからの世代には体づくりが重要になるとして、国産脱脂粉乳などを活用したプロテインを提供するブースをアピールした。
さらに谷村局長は「この機会にぜひ会場を回っていただき、もう一度、牛乳乳製品の魅力を感じていただきたい。われわれとしても、つくる方も食べる方も応援していく」と述べ、イベントの開催が今後の消費拡大の取り組みに向けた良いきっかけになることに期待を示した。
主催者を代表してあいさつしたJミルクの大貫陽一会長(森永乳業社長)は「牛乳でスマイルプロジェクト」の概要を説明し、「今は1300に近い企業や団体、自治体の皆さんにご参加いただき、その輪が広がっている」と話し、昨年のミルクフェスの盛況ぶりを振り返りつつ、イベントを開催する意義を強調した。
最近の生乳需給の課題をめぐっては「この夏はそこまで暑くなく、牛もずいぶん大量に乳を出してくれた。残念ながら牛乳の消費があまり上がっておらず、これから学校の休みなどで難しい局面が来る」と説明し、「皆さんにもっと牛乳を身近なものとして飲んでいただきたい。イベントがその助けになれば」と話した。
最後に大貫会長は「本物の牛や、いろいろな都道府県の牛乳、あるいはヨーグルトの知識など、さまざまなイベントがあるので、ぜひ楽しんでいただきたい」と、イベントの開催を宣言。「牛乳で乾杯!」の掛け声とともに、谷村局長と並んで牛乳を一気に飲み干した。
国産脱脂粉乳活用したプロテインに注目も
昨年のミルクフェスよりも規模が拡大。脱脂粉乳在庫の増加を背景に、国産脱脂粉乳を活用した製品のアピールや利用シーンを提案するブースも多かった。特に、昨今のタンパク質人気を捉えるプロテイン製品の注目度は高く、多くの来場者が試飲に訪れていた。

雪印メグミルクは「毎日使える スキムミルク」とレシピの配付を行ったほか、㈱ULTORAとの共同ブースで雪印メグミルクが提供する北海道産の脱脂粉乳とホエイを一部利用したプロテイン製品をアピールした。今秋販売予定の新製品で、牛乳由来のコクとカゼイン配合の腹持ちの良さを強調。同社の業務製品事業部事業戦略グループの保延直毅課長は国産乳原料の活用によって日本の食料自給率に貢献できると考えを示したほか、ULTORAの土田結衣マネージャーは同製品を「メーン(のラインアップ)に加えていきたい」と展望を示した。

また、協同乳業・日本酪農協同・酪王協同乳業と共にグループで牛乳乳製品の販売を行ったJA全農は、同会のブランド「ニッポンエール」と㈱Real Styleのプロテインブランド「ビーレジェンド」の共同ブースを出展、国産脱脂粉乳100%の「ノンファットミルクプロテイン」の試飲を展開した。
Real Styleの河本大輝氏は「プロテインは牛乳で割って飲めば、タンパク質以外の栄養素もまとめてとれる」と牛乳割りプロテインの価値をアピールしたほか、全農の戸川美子営業開発部MD企画課課長は、海外のホエイなどの価格が高騰する中で国産脱脂粉乳が余っている状況に悔しい思いをしていると述べ、国産脱脂粉乳を使ったプロテインの需要拡大の旗振り役を担うと熱意を語った。
興味を持ち、理解してもらうことが消費に
初出展の関東生乳販連のブースでは、酪農家のほか関東圏内の畜産系大学や高校に所属する学生・生徒の協力を得ながら、酪農クイズ企画やVR酪農体験などを展開。来場者はVRゴーグルを着けて牧場風景を見まわしたり、酪農家に酪農クイズのヒントをもらったりしていた。
関東生乳販連の古橋佳也業務部長は「学生に酪農に興味を持ってもらう場になればと思った」と出展の経緯を説明し、ブースを訪れた人には必ず酪農家と話してもらう機会を設けていて、「都会に住んでいる人にも酪農に興味を持ってもらって、理解してもらうことが消費につながると思う」とその狙いを語った。

会場のミニステージで紙芝居を披露した酪農家の髙木真美さん(熊本県和水町・髙木牧場)も、酪農に対する理解醸成の必要性を述べた。特に、実際に牛に触れて温かさを感じることで、酪農や牛乳が「命のおすそわけ」であることを実感してもらうことが大事だと話した。普段から学校で読み聞かせなどをしているという髙木氏は、イベントで紙芝居を囲んだ子どもたちが「ちゃんと聞いてくれてうれしかった」と笑った。
会場入口で展示した牛の親子の周囲には多くの親子連れが集まっていたほか、各乳業メーカーや団体のブースに長い列ができ、来場者が製品や試供品を味わっていた。このほか、牛乳パックを活用したフォトフレームづくりなどの体験型企画にも多くの人が参加し、酪農乳業を見て、触れて、楽しんだ。(山根藍利)
出典:酪農経済通信 2026年10月20日付
原題:「ミルクフェス㏌豊洲2026」を開催
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