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よつ葉乳業、2025年度経常利益27.6%増 2期ぶり増収増益

  • 6月30日
  • 読了時間: 5分

 【札幌】よつ葉乳業は6月26日、札幌市の北農ビルで第60期定時株主総会を開き、2025年度決算や2026年度事業計画などすべての議案を承認した。2025年度の売上高は、販売価格改定や業務用事業でのバターの販売増加、家庭用事業でのNB牛乳の販路拡大やチーズ類の販促強化により、前年比3.8%(48億円)増の1,321億円。営業利益は同28.6%(12億円)増の57億円と、いずれも過去最高を更新した。

 経常利益は同27.6%(12億円)増の58億円、当期純利益は同50.9%(13億円)増の41億円で着地し、第58期以来2期ぶりの増収増益を達成した。期中辞任に伴う役員改選では、取締役副社長に大畑成市氏(JA阿寒組合長、前監査役)、取締役に宇野克彦氏(ホクレン副会長)、西野一氏(ホクレン常務)、澤野直満氏(JA鹿追町組合長)、代表監査役に福井幸司氏(ホクレン代表監事、JA当麻組合長)、前川厚司氏(JA幕別町組合長、前取締役)、齋藤泰広氏(JA釧路太田組合長)をそれぞれ選任した。

 2025年度の売上高(売上費用控除前)を部門別にみると、業務用事業が同3.6%(30億円)増の884億円。家庭用事業は同3.3%(13億円)増の421億円。海外事業が同13.7%(2億円)増の19億円。なお、買い入れ乳量は同1.3%(1万t)増の801,000tとなった。

 2025年度で終了した前中期計画(2023~2025年度)は、「新たな価値創造に挑戦し、選ばれる『よつ葉』になる」を経営ビジョンとして、事業拡大につながる需要創出や働き甲斐のある魅力的な組織風土の醸成、環境負荷低減の推進、業務合理化による効率向上の推進に取り組んだ。

 この結果、2025年度に売上高1,200億円(売上費用控除前、うち家庭用事業500億円以上)、経常利益率4.0%以上としていた売上目標に対し、売上高は1,321億円と目標を達成した一方、家庭用事業の売上高は435億円で未達となった。経常利益率は4.4%で目標を上回った。また、同年度にCO2排出量84,565t削減、容器包装の石油由来プラスチック使用量1,446t以下の環境目標はいずれも達成した。

 売上目標の達成について同社は、乳価引き上げなどによる価格改定が受け入れられたほか、業務用バターや家庭用チーズ類が好調だったことに加え、前経営計画期間中にオープンした東京・大阪の直営店が牛乳商品の拡大に寄与し、飲用の伸びにつながったとみている。

 2026年度からの新たな中期経営計画(2026~2028年度)は、経営ビジョンを引き続き「選ばれる『よつ葉』」とし、消費者や生産者、従業員、社会から選ばれる、チャレンジし続けるよつ葉となることで、社是である「適正乳価の形成」「酪農経営の長期安定」の永続的な実現を目指す。

 経営目標は、売上目標が2028年度に1,500億円以上(売上費用控除前、うち国内家庭用事業500億円以上、海外事業30億円以上)、経常利益率3.0%以上と設定。環境目標はCO2排出量71,169t以下(2013年度比40%以上削減)、容器包装の石油由来プラスチック使用量1,172t以下(2020年度比23%以上削減)とした。

 2026年度の事業計画は、売上高を前年比4.4%(58億円)増の1,380億円とする一方、材料費や物流費のコストアップにより、営業利益は同40.5%(23億円)減の34億円、経常利益は43.4%(25億円)減の32億円を見込む。設備投資は同20.8%(18億円)減の68億円、買入乳量は1.7%(1万t)減の786,000tを計画している。

 事業別の売上高(売上費用控除前)は、業務用事業が890億円。脱脂粉乳の在庫消化を目的として、脱脂粉乳販売数量の維持・拡大を図る。家庭用事業は475億円とし、チーズやアイス、発酵乳を中心に関東・関西での販売活動に注力する。海外事業は20億円を計画し、新規取引先の開拓やアイテム拡充を図っていく。

 総会では、2025年度から2026年度にかけての各種取り組みの報告や計画も発表された。既存工場の老朽更新として2025年7月に十勝主管工場内で乳製品第4工場を建設。ソフトミックスや濃縮乳など液状乳製品の製造を2026年3月に開始しており、製品生産量は年間1万tを見込んでいる。

 また、同社は2027年1月23日に創立60周年を迎えることから、これを記念して十勝主管工場にある工場見学施設「おいしさまっすぐ館」をフルリニューアルする。フルリニューアルは2011年の開館以来、初めて。現在は十勝主管工場に特化した展示となっているが、リニューアル後は同社5工場を紹介する展示とするほか、直営店と連動させた体験型施設を目指す。また、SNSも利用しつつ、実体験とバーチャルを併せてブランド認知を進めていくこととしている。リニューアルオープンは2027年度を予定している。

 新商品は、2026年春にリニューアルした「北海道十勝生乳100ヨーグルト」シリーズを販売開始したのに加え、各カテゴリーのラインナップ拡充、期間限定フレーバー品の発売を行った。2026年秋はチーズ(北海道十勝シリーズ)のリニューアルや、のむヨーグルト、カップ乳飲料の期間限定フレーバー品の発売を予定している。

 海外展開については、ブランド認知向上・浸透に注力し、よつ葉ブランドと北海道ブランドの確立を目指している。台湾ではチルド牛乳をキャップ付き容器に変更し、2026年4月に販売を開始したほか、2025年下期に販売開始した「LLクリーム35%」の定着を図っていく。シンガポールでは2026年5月に「のむヨーグルト(バターミルク)」を、6月にチルドの「特選4.0牛乳」を発売した。マレーシアではLL牛乳の販売継続やLL乳飲料のアイテム追加を進める。台湾・シンガポール・マレーシアでは、SNSなどを活用したブランドの定着・販売拡大も目指す。

 このほか、タイで業務用乳製品を中心に販売を継続し、新規取引先の開拓とアイテム拡充を進める。カナダでは2024年1月に発売したLL牛乳の販売拡大を目指す。

 直営店については、2026年4月に札幌市の北農ビルで「よつ葉ミルクスポット」をオープンしており、同社は「連日多くのお客さまにお越しいただいている」と手応えをつかんでいる。東京・大阪の直営店では2025年、直営店がある商業施設で「よつ葉ミルクフェア」を開いた。東京は2回目、大阪は初めての開催となる。生産者自ら消費者に牛乳・乳製品を届ける消費拡大イベントで、生産者・消費者が相互理解を深めた。2026年度も秋ごろに開催する予定としている。

 環境面では2025年度、「特選よつ葉牛乳」「北海道十勝軽やかしぼり」の紙容器をリニューアルし、コーティングに使われるポリエチレンを石油由来から植物由来のバイオマスポリエチレンに変更。これにより年間約100tの石油由来プラスチック使用量を削減した。2026年度も4月に発酵乳容器をリニューアルし、バイオマスプラスチック配合率を10%から30%に引き上げ、年間約20tの石油由来プラスチック使用量を削減する。

 このほか、フードバンクへの牛乳・乳製品の寄付や日本赤十字社への災害救援車の寄贈などの社会貢献活動や、次世代サポート酪農研修事業などの酪農経営支援活動を継続していく。

 (佐藤世一)

 ≪酪農経済通信/2026年6月30日付≫

 原題:経常利益は前年比27.6%増―よつ葉乳業

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