ホクレン、2025年度取扱高1兆7,835億円 5年連続で過去最高
- 6月25日
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【札幌】ホクレンの第140回通常総会が6月23日、札幌市の共済ホールで開かれ、2025年度の事業報告や2026年度の事業計画など全ての議案を原案通り承認した。2025年度は共計品を含めた取扱高が1兆7,835億1,300万円で1,008億3,900万円増となり、5年連続で過去最高を記録した。当期剰余金は71億6,900万円で計画(29億円)を大きく上回った。任期満了に伴う役員改選では篠原末治会長、柏木孝文副会長、徳田善一副会長を再任し、副会長にJAめむろの宇野克彦氏(JA道信連経営管理委員会副会長)を新任した。
開会に当たってあいさつした篠原会長は2025年度について「記録的な猛暑や豪雨の影響などにより生産を取り巻く環境は極めて厳しい1年となった。当会は激化する集荷環境に対応するため新たな施策などを実施することでJAグループ北海道への結集をしっかりと図った」と振り返った上で、取扱高が過去最大となったことなどを報告。会員の協力に対して謝意を示した。
2026年の農作業については「春先の天候に恵まれ、雪解けも早く進んだことで、まずは順調なスタートを切ることができた」とする一方、「中東情勢の緊迫化を背景として原油由来の生産資材、海上運賃、国際的な原油・原料価格が上昇しており、生産資材価格や配合飼料価格などの高止まりが道内の生産者に大きな影響を及ぼしている」と指摘。「ホクレンとしては、こうした状況を重く受け止め、生産者の皆さまの営農継続を支えることを最優先に必要な対応を講じていく」と強調した。
今後は中東情勢や国際市況、為替、物流コストが見通しにくい状況にあることから「情勢の変化を見極めながら、より必要性の高い分野に迅速かつ機動的に対応できるよう整理していく」とした上で「われわれホクレンは会員JAと十分に意思疎通を図りながら、生産現場の現状をしっかりと踏まえ、北海道農業の生産基盤を守るため責任を持って取り組んでいく」と力を込めた。
決算報告によると、次の100年に向けて将来にわたって機能を発揮するための「Vision2030 めざす姿」実現に向けた具体的な取り組みを行い、激化する集荷環境に対応するため米やたまねぎに関する新たな施策などを実施することでJAグループ北海道への結集を図るとともに、適正な価格形成に向けた交渉や道産農畜産物の価値向上に努めた。こうした取り組みや市況の上昇などにより取扱高は1兆7,835億1,300万円と前年を大きく上回り、初めて1兆7,000億円を突破。乳価の期中改定や生乳生産量の増加、うるち米の販売価格上昇などがけん引し、過去最高を記録した。このうち購買部門は4,341億2,700万円で前年度比50億4,100万円増と2年連続で前年度を上回った。販売部門は1兆3,493億8,600万円で957億9,800万円増と4年連続で前年度を上回った。
経常利益は82億1,300万円で前年度比2億8,500万円減。前年度に退職給付引当金の割引率見直しによる人件費の減少があった影響もあり、前年実績を下回った。当期剰余金71億6,900万円のうち、総額34億133万円を会員JAに還元。内訳は出資配当金が4億133万円、事業分量配当金が過去最高の30億円となった。
2026年度は引き続き「Vision2030 めざす姿」実現に向け、①総合力の発揮による地域課題の解決②消費者ニーズと産地の強みをつなぐバリューチェーンの構築③持続可能な物流体制の構築④新技術やスマート農業の推進等による生産力の向上⑤労働力不足への対応と人材育成支援⑥みどりの食料システム戦略への対応やSDGsへの取り組みを通じた環境負荷低減と農業所得の両立⑦地域社会の維持に向けた取り組み強化―の7項目の重点方策に沿った具体的な行動計画を実行し、環境変化に柔軟に対応しつつホクレン自身の経営基盤強化によって農業所得向上に資する生産コスト低減や道産農畜産物の付加価値向上に取り組んでいく。
重点方策のうち、総合力の発揮による地域課題の解決については、JAと一体となった各種課題の解決や共同販売・共同購入の強みを生かしたJAグループ北海道への結集と還元を進めるほか、適正な価格形成に向けて可視化された生産コストに基づく価格交渉と消費者理解の醸成・需要拡大策の実施、畑作農業の維持発展に向けた関係機関との連携など輪作体系に基づく需給に応じた生産、たまねぎの全道共計における販売手法の浸透とJA・生産者への理解醸成による結集なども推進していく。
また、JA・生産者との対応を通じた地域課題の把握と対応として、気候変動に対応したバイオスティミュラントなどの実証・取り扱い品目の拡大や関係機関との連携による耐暑性品種などの開発、でん粉の生産者所得向上に向けた栽培優良事例の集積と水平展開による収量増加の取り組み、JAコネクトを活用した営農情報(アグリポート)の発信強化などを実施する。
持続可能な物流体制の構築に向けては「持続可能な物流体制構築のための自主行動計画」の着実な実践と輸送効率向上、トラックドライバーの労働力改善などによる輸送力確保、貨物鉄道の輸送力確保に向けた道内到着貨物や道内輸送における利用促進、ほくれん丸の活用や各船会社との連携による海上輸送力強化などに取り組む。安定輸送力の確保に向けて、一貫パレチゼーション輸送のさらなる普及拡大、円滑な家畜生体輸送に向けた道内市場間輸送の体制構築、道内中継拠点の利用拡大も進めていく。
新技術やスマート農業の推進等による生産力の向上についてはドローンを活用した農薬請負散布の拡大など労働生産性の向上に加え、最先端のスマート農業のモデル実証と普及推進、農業生産の効率化に向けたデータ活用型農業の実現などを実施する。
労働力不足への対応と人材育成支援に向けては、関係機関と連携した労働力確保や省力化に向けた取り組み強化と新規就農者や担い手、JA職員の技術力・知識向上に向けた支援を進めていく。
経営計画は、取扱高を1兆8,020億円(2025年度計画比5%増)とし、当期剰余金は28億円(同3%減)を計画。新たな設備投資としては、こめ油関連施設など新たな事業領域の拡大をもくろむ設備投資に加え、業務効率化に向けた新たなシステムの構築・更新など168億円の投資を進めていく。
(佐藤世一)
≪酪農経済通信/2026年6月25日付≫
原題:ホクレン25年度取扱高は1兆7,835億円
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