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【PR】子どもたちが成長を実感できる酪農体験の場をつくりたい 山梨県北杜市・内田牧場 内田雄祐さん

  • 7月11日
  • 読了時間: 6分

更新日:7月27日

実家の牧場に就農した内田さん。「牛舎と牛をきれいに保つ」というモットーを父から受け継ぐ
実家の牧場に就農した内田さん。「牛舎と牛をきれいに保つ」というモットーを父から受け継ぐ

 地域と消費者をつなぎ、酪農の魅力と理解を広げる「酪農教育ファーム」。山梨県北杜市にある内田牧場後継者の内田雄祐さん(40)は、その担い手となるファシリテーターの資格を持つ。飼料メーカーや山梨県庁での勤務経験を経て、2025年春に家業に就いた。就農してまだ半年ほどだが、酪農教育ファーム活動を行う県の畜産酪農技術センター勤務時代にファシリテーターの認証を取得し、その重要性を強く認識。牧場認証取得はまだだが、将来的には取得して自らの牧場で子どもたちが酪農に触れる場をつくりたいと考えている。「子どもたちが定期的に牧場を訪れ、牛の世話に次第に慣れ達成感を得る」――。内田さんが構想するのは継続的な酪農教育ファーム活動だ。

 ※本記事は、月刊デーリィマン本誌(2025年10月号)に掲載した記事広告を、デーリィマンプラス向けに一部体裁を整えて掲載するものです。


驚くほど清潔さを保つ牛舎。乳質も良好だ
驚くほど清潔さを保つ牛舎。乳質も良好だ

地域酪農存続の不安広がる中、就農を決意


 内田牧場の総飼養数は53頭(うち経産牛38頭)で、2024年の出荷乳量は約350tに上る。乳質は乳脂率4.09%、タンパク質率3.39%、無脂固形分率8.81%、体細胞数11万1,000個/mL。こうした良好な水準は日々の積み重ねの成果であり、牧場の誇りでもある。

 自給飼料は牧草約2ha、飼料用トウモロコシ5.5haに加え、裏作でライ麦を5ha栽培する。作業従事者は本人と妻、両親の4人。牧場のモットーは「牛舎と牛をきれいに保つ」ことだ。牛舎は日々掃除を徹底し、牛体も尻尾や後肢を中心に洗浄していて、その清潔さに訪れた人は驚く。内田さんは父・繁雄さん(66)が長年守り続けてきた姿勢を受け継ぎ、経営の根幹として大切にしている。

 内田さんは帯広畜産大学を卒業後、飼料メーカーに就職し北海道支所で約3年間勤務。結婚し2人目の子どもが生まれたタイミングで実家に戻ってきた。その後は県職員として働きつつ、早朝の牛舎作業や農繁期のサポートを続けてきた。就農を決意した背景には、地域酪農の衰退がある。北杜市では3年ほど前に19戸あった酪農家が、今では10戸程度まで減少。40代後半から50代という現役世代の離農も少なくなく、将来への不安が広がっていた。内田さんは「離農の話を後から聞くことが多かったけど、経営状況は厳しく、事前に相談されても止められなかったことにショックを受けた」と振り返る。地域から酪農の風景が失われるかもしれないという危機感が就農を後押しした。


掃除が行き届いた牛舎の外観
掃除が行き届いた牛舎の外観

見学者の興味を引き出す“橋渡し役”


 内田さんが畜産酪農技術センター勤務時代に酪農教育ファームファシリテーターの認証を取得したのは2024年。職員として必要に迫られた面もあったが、消費者と農家の距離が広がっていることに懸念を抱き、「橋渡し役を担いたい」という思いもあった。

 中高生の職業体験や消費者団体の見学を受け入れていたが、対象や目的に応じて内容を柔軟に変え、理系の学生には受精卵や人工授精関連のバイオ技術の話を、消費者団体には生産から食卓に届くまでの流通過程を説明。牛舎に入れない場合でも、柵越しに見せたり、動画を活用したりするなど限られた条件下で学びを最大化する工夫も実践していた。「相手の興味を引き出し、学びを誘導することがファシリテーターの役割」と内田さん。単に知識を伝えるのではなく、参加者が主体的に考えるきっかけを与えることも強く意識していた。「柔らかい雰囲気で接することで質問が出やすくなり、学びが深まる」


スキルアップ研修はリーダーシップ磨ける


 酪農教育ファームは生産者が乳価の一部から拠出した資金によって運営されている。内田さんはその点を強く意識する。「自分たちが負担しているお金だからこそ、意味のある形で活用されなくてはならない。消費者に理解され、応援してもらえる活動を通じて、酪農の仕事も続けやすくなる」

 ファシリテーター資格の更新制度の見直しについても「現場の負担が少なくなった」と捉える。従来は3年に1回の更新で、更新年度にはスキルアップ研修会への参加が必須だった。2026年度以降は毎年の「活動継続届出書」と「前年度の活動実態調査報告書」の提出で更新できる。スキルアップ研修会(ワークショップ)や安全・衛生・防疫対策講演(オンデマンド配信)は任意受講となる。

 とはいえ内田さんは「スキルアップするための研修は必要。任意参加であれば積極的に出たい」と話す。ファシリテーター資格はリーダーシップに直結すると考えており、「大規模農場の管理者や地域を導く立場の人こそ取得するべきだ」と強調する。


「現場で得る非日常の体験が子どもたちの関心と学びにつながる」と内田さん
「現場で得る非日常の体験が子どもたちの関心と学びにつながる」と内田さん

厳しい情勢だからこそ酪農教育ファーム活動が力になる


 内田牧場が認証を取るには手洗い場やトイレ、緊急時の病院情報把握などの整備が必要になる。ハードルは低くないが、「両親が元気なうちに取得したい」と強い意欲を示す。構想しているのは単発の体験会ではなく、継続的に関われる仕組みだ。子どもたちが定期的に牧場を訪れ、牛の世話を続ける中で少しずつ慣れ、できることが増えていく。いわば1回で終わらない“つながる酪農教育ファーム”だ。回を重ねることで成長や達成感をしっかり味わえる場にしたいと考えている。

 「非日常の体験は子どもの心に残る。何度も現場に来てもらい、見て触れてにおいも感じることが次の学びや関心につながる。そうしたきっかけを一人でも多くの子どもたちに与えたい」と内田さん。

 北杜市周辺では後継者不足や高齢化、さらにシカやイノシシなどの鳥獣害が重なり、酪農経営は厳しい環境に置かれている。特に飼料用トウモロコシ畑は被害が大きく、防護柵や電気柵の設置が欠かせない。

 それでも内田さんは前を向く。「酪農を続けるだけでも大変な時代だけど、だからこそ地域や子どもたちが酪農に触れる機会をつくることが大事。酪農教育ファームはその大きな力になるはずです」

 前職でのファシリテーター活動を通じ、酪農教育ファームの価値を深く理解した内田さん。今はまだ自らの牧場での活動は始まっていないが、準備は着実に進んでいる。牛と真摯(しんし)に向き合い、地域の未来を見据える姿勢は、酪農教育ファームの理念そのものだ。近い将来、北杜の地に新たな酪農教育ファームの拠点が生まれる日を期待したい。

 【文・斉藤宏之/写真・宮田幸司】


◇酪農教育ファームとは

 「酪農を通して食やしごと、いのちの学びを支援する」ことを目的に、全国の酪農関係者が牧場や学校などで教育関係者と連携しながら実施する酪農教育ファーム活動。1998年に酪農教育ファーム推進委員会が設立され、活動がスタートした。

 その2年後には、“情熱を持って子どもたちを受け入れ、かつ利用者が安心して訪問できるよう、一定の安全・衛生条件を満たす牧場など”を認証する制度が設立。2025年3月末時点で認証牧場は215牧場、牧場や学校などで活動を行う酪農教育ファームファシリテーターは471人に上る。


◇牧場概要

飼養頭数:53頭(うち経産牛38頭)

飼養形態:つなぎ飼い

飼料作付面積:約12.5ha(延べ面積)

出荷乳量:約350t/年

作業従事者:家族4人


初出:月刊『デーリィマン』2025年10月号

初出企画:地域と未来を担う酪農教育ファームの可能性

原題:子どもたちが定期的に作業体験し成長実感できる場をつくりたい/消費者の理解と応援得られる交流活動は重要

掲載区分:記事広告

協力:一般社団法人中央酪農会議

※本記事は掲載時点の内容です。


酪農教育ファームに関する問い合わせ

一般社団法人中央酪農会議

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