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【'25全共ルポ❶】牛づくり通じた地域のつながりを再確認 第16回ホルスタイン全共

  • 5月8日
  • 読了時間: 3分
全国358頭の頂点に立った木村さん。「ホッとした」が第一声だった
全国358頭の頂点に立った木村さん。「ホッとした」が第一声だった

 第16回全日本ホルスタイン共進会が10月25~26日に北海道胆振管内安平町で開催され、39都道府県の予選を通過したホルスタイン364頭、ジャージー29頭の計393頭が集まった。最高位賞には木村吉里さん(北海道オホーツク管内遠軽町、46)出品のサニーウエイ アストロ マツカチエンが選ばれ“酪農の王国”の貫禄を見せた。一方、10年前の14回大会(15回大会は中止)はホルスタイン14部全ての優等賞1席を北海道が独占したが、今回は16部のうち4部で優等賞1席を獲得するなど都府県の躍進も目立った。受賞者は口々に仲間からのサポートへの感謝を口にしており、“改良”を通じた地域のつながりが会場全体で感じられた。


開催地の誇りを示す体型の完成度


 大会2日目正午を迎えた北海道ホルスタイン共進会場のリングには静かな緊張感が漂っていた。最高位賞を決める最終審査で、名誉賞を獲得した代表牛が横一線に並ぶと、観客席のざわめきはぴたりと止まり、視線は審査員の動きに集まった。審査員がゆっくりとリング内を移動し、一頭ずつ姿勢や乳房を見比べていく。観客席から自然と手拍子が起こり、緊張と期待を帯びたリズムが徐々に場内へ広がった。審査員がふと足を止め、腕を伸ばして一頭を指し示した瞬間、拍手が一気に爆発した。

 リング中央で堂々と頭を上げたのは、北海道遠軽町の木村さんが出品したサニーウエイ アストロ マツカチエン(16部、6歳以上)。同牛は2023年北海道B&Wショウ、24年北海道ホルスタインナショナルショウのグランド・チャンピオンに輝いた有力牛だが、全共までの道のりは決して順調ではなかった。9月2日の分娩後に体調を崩し乳房炎も患い予選を兼ねる北見管内総合家畜共進会には回復途中で出場。「何とか枠内に拾ってもらった感じ」と木村さん。本大会に向けた仕上げには細心の注意と根気が求められた。

 最高位賞決定審査の前、14~16部の名誉賞に決まった直後、木村さんは「ホッとしている。コンディション調整が大変だったので、牛も人も休ませてあげたい」と率直な胸の内を語っていた。そうした苦労のかいもあって、最高位決定の舞台では、分娩後の影響を感じさせない体の伸び、乳房の高さと張り、安定した歩様など総合力の高さが高く評価された。観客席からは「最後にしっかり上げてきた」「完成度が違う」との声が聞かれ、北海道勢の地力の強さを印象づけた。

地元・北見地方ホルスタイン改良同志会のメンバーから胴上げされた木村さん
地元・北見地方ホルスタイン改良同志会のメンバーから胴上げされた木村さん

 受賞後、木村さんは牛の頸をそっとなでながら「去年のナショナルショウのチャンピオンなので、うれしいより安堵の気持ちが大きい」と語った。北見地方ホルスタイン改良同志会の仲間から胴上げされ、会場は祝福の拍手に包まれた。「アドバイスや出品関連の手伝いなどお世話になった」と仲間への感謝も口にした。

 10年ぶりの北海道開催となった今大会、その頂点に立ったサニーウエイ アストロ マツカチエンは、開催地の誇りを象徴する一頭となった。(❷へつづく)

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